使用している鍼(道具)の話 | ゴッドハンドではない鍼灸師の日々これこれ

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あすなろ院長が臨床で感じたこと、その他について気軽に書いていきます!(*^-^*)

今回は道具としての鍼の話しでもしようかと思います。

 

皆さん、鍼の実物を見たことがありますか?

 

ハリというと注射針を思い浮かべると思いますが、

鍼灸師が使うハリは医療機関で用いるハリとは全く形状が異なります。

 

注射針の針は中が空洞で、目的としては薬液等を血管や筋中に送り込めるようになっていますね。

この注射針の先端は鋭利なメスになっており、皮膚や血管、軟部組織を切り裂いて中に入るようになっています。

 

一方、我々が使うハリ(鍼)は、簡単に言うならば”極細の針金”で、組織を切るのではなく、かき分けて入るので殆ど出血はしません。

また、太さも注射針が外径0.4㎜(27G:皮内注射)、0.6~0.8mm(21G~23G:採血・静脈注射)、1.2mm(18G:輸血用)と比較しても、

0.14mm(1番:16号)~0.3㎜(8番:30号)とかなり細いことが分かります。

目的が、いわゆるツボに当てることを目的とするので、注射針のような太さは必要ありません。

 

実際に見てみると、こんなです。

4本入りパックのものです。

 

滅菌済みの包装になっており、製造のロットナンバーや使用期限が書いてあります。

 

これは寸6の3番という長さと太さの鍼です。

寸6とは鍼体という鍼が実際に刺さることが出来る範囲が約5cmあります(実際の長さはハリのメーカーによって異なる)ということです。

 

寸とは1寸のことで約3cmのことです。

6とは6分のことで分は寸の1/10の単位(0.3cm)です。

鍼灸の鍼の長さは未だ「尺貫法」の単位を用いられているところが、ユニークですよね。

5cmすべて体内に刺すわけではなく、最大に刺しても約2cmは残さないと危険です。

 

実際に出すとこんな感じ

なんか手が荒れてますねー(;^ω^)

1日に何十回も手指を洗ったり、消毒したりするので年中荒れちゃうんですよね・・・。

 

ちなみに鍼灸師が手に持つ部分を鍼柄(しんぺい)といいます。

刺さるところが鍼体です。

 

 

これは長針です。

長いでしょ(笑)

腰やお尻などに使用します。

意外に痛くないものです。

鍼体が10㎝ちかくあります。

 

中国鍼もあります。

 


中国鍼の鍼柄は針金がぐるぐる巻きついており、頭が輪っこになっています。

 

 

 

もちろん、細くて短いものもあります。

右は顔面用の鍼で、左は身体用です。

 

 

私が普段使う鍼置き用のワゴンはこんな感じです。

常時、20種類くらい置いております。一番上がよく使う一軍、2段目3段目は2軍です。

この他に、ここぞの時の鍼やめったに使わない控え選手もあり、当院は30種類以上の鍼の在庫を常に抱えています。

これだけあるのは、日本でもほとんどないでしょうね!

 

 

当院では鍼はすべてディスポーザブル(使い捨て)です。以下の様な医療廃棄物を捨てるボックスに使用後捨てます。

もちろん、消毒で使用した綿花も捨てます。箱がいっぱいになると、専門業者さんに持って行ってもらっています。

 

簡単な鍼の説明でした。