平成28年5月~平成29年11月に腰痛、臀部痛、下肢痛などで来院された患者さんに対して、
鍼灸治療を行った結果を掲載します。
性別:男性50名、女性39名
症状:腰痛のみ59名、臀部痛・下肢痛または痺れ30名
現症の発生:1か月未満26名、1か月以上または慢性化しているもの63名
年代:10代1名、20代13名、30代11名、40代25名、50代11名、60代18名、70代4名、80代6名
でした。
このうち口頭またはスケールを用いて症状の変化のやり取りができた患者79名に対して、
結果を掲載します。
やり取りが出来なかったものとは「良くなっている」「痛みが楽になっている」という回答だけのものは、
入れていないということで、あくまで数字で回答できた分ということです。
また、「変化なし」と回答されたものは”無効”群に入れました。
また、いくつか注意事項があります。
まず、股関節痛、膝関節痛で明らかに関節周囲だけもの問題、シンスプリント、ジャンパー膝、
足関節捻挫後遺症が疑われるものは入れていません。←実はこのような症状も得意としますが・・・
腰痛から股関節痛や膝痛を引き起こすものも多いのですが、今回は腰神経叢と仙骨神経叢が関係すると疑われる運動器の症状のもの、
腰部椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と医療機関で診断されたものを入れております。
また、整体のみの患者さんは除いています。
鍼灸または鍼灸+整体の施術を受けた方を対象としました。
1回のみの方は評価が分からないので元々除いております。
1回のみの方は良くなって来院されないのか、治療が合わないで来院されないのか分かりませんが、
当院は慢性症状で来院される方が多いので1回程度で良くならないのは患者さんも理解していることが多いので、
脱落の方が多いと受け止めています(1回しか来院しなかった患者さんから紹介で来られる患者さんもいますが・・・)。
評価方法ですが、「何割改善したか?」という質問に対して、「○割改善しています」という回答を施術前に頂いて、
患者さんの日常生活や仕事等にほとんど影響がない程度に改善(9~10割改善)したか、
患者さんの都合で治療を中止するか、連絡または連絡なくキャンセルするかして治療が終了した時点の評価を最終評価としました。
当院ではスケールを用いてVAS法によって症状を聞いたり、このように何割改善したかを口頭で来ていますが、
「何割改善しましたか?」という問いはそもそも”改善”が前提になっており、本来であれば平等な質問方式ではないのですが、
まあ、その点はご了承願います(;^ω^)
あくまで参考としてお読みくださればと思います。
終了するタイミングは個々人によってまちまちで統一は不可能です。
施術者と患者さんがともに納得して終了することもあれば、仕事や家庭の都合で終了することもあります。
終了してもメンテナンスとして定期的に来院する方ももちろんいます。
連絡があって予約をキャンセルする方は良いのですが、全くないままキャンセルする方もおり、
このような方はあまり治療が上手くいってない場合が多いように感じます。
回答での改善割合によって次のように分けました。
9割以上改善:著効
7割から8割改善:有効
5割から6割改善:やや有効
4割以下の改善:無効
↑この辺の分け方は特に決まりはなさそうなので、丁度良い感じに分けました。
著効51人(64%)、有効14名(18%)、やや有効7名(9%)、無効7名(9%)でした。
著効と有効を合わせた82%がまずまず満足を頂ける割合だと思います。
ちなみに平均施術回数6.3回、中央値5回、最小2回、最大30回でした。
1か月以上または慢性化しているものだけでみると、
著効53.8%、有効12.1%、やや有効9.9%。無効24.1%でした。
著効と有効を合わせると65.9%でした。
やはり1か月未満の新しいものでは改善率が高く、1か月を超え、数か月、数年などの古いものでは改善率が低く。
無効群の割合が高くなる傾向がありました。
また、70歳以上に多くみられる脊柱管狭窄症と診断されたものや椎間板ヘルニアと診断され、
炎症が強いものではなかなか改善しないという結果が出ました。
しかしながら、当院の長針が得意とする患部を押しても痛くない、くしゃみや咳などで腰痛が発生する、
寝ていると苦しいなどの症状のものは古いものでも著効することが分かりました。
著効が9割だとゴッドハンドと呼ばれたりするのでしょうか?
たぶん9割を超えたら宣伝もしなくても門前町をなすと思われます。
実際のところ、HPなどで自院の成績を細かく公表しているところは皆無ですので、当院が良いのか悪いのか分かりません。
しかしながら、口コミだけで患者さんを集めている県内の某先生は「だいたい3回で治す」を公言していますから、
私などはまだまだ、改善する余地がありますね・・・。
今後もっと成績が上がるように
全体では著効率8割以上、1か月以上のものでもでも著効率6割以上を目指して、研究を重ねていきたいと思います。