投票前に共和党の圧勝、と予想していたマスコミは、
今、少し慌てているのではないか。
まだ決着がついていない州が複数あるし、
ジョージア州の上院に至っては、
既に12月の再投票が決まっている。
この分だとそれまで勝敗が決まらないかもしれない。
未決州の現時点の開票状況を見ると、
ジョージア州の最後の1人で雌雄を決する可能性が高いように思える。
それにしても昔はバリバリ共和党支持だったジョージア州が、
前回の大統領選では民主党が勝ち、
今や「スイングステート」の1つになっているのは、
本当に驚きだ。
尤もやはりアトランタは南部最大の都市なので、
北部の方から移ってきた人が増えているせいもあるかもしれない。
昔からいる郡部の人達は、
依然として共和党支持者が多いのだろうとは思う。
それにしても何故「赤い波」は起きなかったのか?
国民の最大の関心は経済問題だ、というところばかり強調されていたけど、
トランプが思っていた以上に、
中絶禁止問題に反応した人が多かった、という事だろう。
つまりは大統領時代に、
保守派の最高裁判事を任命した事が、
今年6月の、中絶禁止の連邦最高裁判決となり、
その結果、性的暴行を受けて妊娠した10才の少女が、
中絶する為に隣の州まで行かなければならなかった、という事件に繋がった。
この一件が、
自分の体の事を決めるのは女性の権利、と、考える人達の、
民主党への追い風となったのかもしれない。
実際、そこに危機感を持って投票に行った女性が増えた、という話もある。
結局トランプの自業自得だった訳だ。
本人は怒り狂って喚き散らしているらしいが。
中絶反対の保守派の人達は、
受精した瞬間から命だから、
中絶は殺人だ、と言う。
だがオハイオの10才の少女は、
中絶できなければ彼女の人生が破壊されていたかもしれない。
それは構わないのか?
大体レイプなんてするヤツは、
何度も繰り返す。
たった10才の、まだ何もよく分かっていない少女を襲うような小児性愛者は、
被害者を増やすだけだ。
性的暴行による妊娠中絶をするな、と言うなら、
その前に暴行する男達を淘汰してくれ。
死刑制度のある州では性的暴行犯は死刑、
無い州では1度でも性的犯罪を犯せば、
2度とできないように完全に去勢される、
そういう世の中になって、
性犯罪を犯す人間がいなくなった後ならまだしも、
被害者が続々と出ている現状で、
よくもまあそんな勝手な事が言えたものだ。
だが仮にそれができたとしても、
(世の中の半分は男だから、絶対に認めないだろうけど。)
初めて犯罪を犯す人間を止める事はできない。
確かに本当にそうなれば、
ある程度の抑止力はあるだろうが、
そもそも犯罪を犯す者は、
自分は捕まらない、と思いがちで、
捕まらなければやっても大丈夫、という思考になる。
結局性犯罪を完全に無くすことなど不可能、という事だ。
という事はつまり、
女性は自分を守るために闘わなければならない、という事でもある。
アメリカの連邦最高裁判事は任期が無い。
長官を含めて9人だが、
死亡するか本人が引退するまで、
終生身分が保証されている。
そして現在の9人のうち、
保守派が6人、リベラル派が3人、という、
極めて不均衡な構成になっている。
これはオバマの時にできた欠員を埋める為に推薦した候補を、
議会が(中間選挙で負けて、どの政権も末期は大体ねじれが起きている)ことごとく認めず、
トランプが就任するまで引き延ばし続けた事にもよる。
で、トランプはたった4年の間に3人の判事を指名している。
8年やったオバマが2人なのに。
まあタイミングの問題もあるが、
平等であるべき最高裁のこの不均衡は、
当分解消されそうにない。
つまり、50年前に戻ってしまったこの問題は、
近いうちに再度是正される見込みは薄い、という事だ。
尤も判断を各州に委ねる、という事なので、
今回の選挙と合わせて住民投票をやった所もあるようだが。
ともあれ、自分のお手柄で共和党が圧勝し、
その余勢をかって15日に大統領選出馬表明をしようとしていたトランプにとっては、
思わぬ逆風が吹いた形だ。
インタビューで、共和党支持者だが今回は民主党に入れた、と話す人もいて、
一部の狂信的トランプ信者以外は、
共和党員のトランプ離れが起き初めているのかもしれない。
それはめでたい事ではあるが、
分断されてしまった国と国民の心を、
また1つにするのは至難の技だ。
少なくともバイデンには荷が重いのではないか。
トランプもバイデンもいい年だし、
この際、2年後の大統領選挙では、
フレッシュな顔ぶれで闘ってはどうだろう?
とはいえ現職大統領が出る、と言えば止められないが、
トランプは予備選で負けて出られないかもしれない。
一説によると、今回大勝したフロリダ州知事が有力候補だそうで、
トランプが同じ共和党なのに目の敵にしているとか(笑)
今回の中間選挙、決着にはまだまだ時間がかかりそうだが、
次の大統領選にも繋がる話なので、
なかなか面白かった。
さあ、この後どうなることやら。