最近この手の無罪判決が増えている。
確かに虐待を、見過ごしてはいけないし、
本当に虐待があったのなら、
裁判も致し方無いだろう。
だが、現実に無罪判決が続いている事を、
検察はどう考えているのか。
まず虐待ありき、からスタートし、
その結論に導くための道筋を創作し、
事件を作っているとしか思えない。
無罪判決になった場合、
起訴した検察官には、
何せ有罪率が99.9%だから、
汚点になってしまうのかもしれないが、
いわれの無い罪に陥れられて、
その上、子供と引き離される母親にとっても、
母親を奪われる子供にとっても、
苦痛は計り知れない。
しかもこの揺さぶり症候群に引っ掛かってくるのは、
殆どが乳幼児だ。
つまり、一番母親が必要で、
成長過程においても、最もスキンシップが大切な時期なのに、
それを根こそぎ奪った罪は、
検察官の左遷や評価下落などで償える物ではない。
家族全員の人生を破壊してしまうかもしれないのに、
その事に対する慎重さが余りにも欠けている。
2014年以降にこの容疑の無罪判決は、
少なくとも全国で16例目、
そのうち大阪で8例目だそうだ。
どうなっているのだ、大阪地検?
幾らなんでも多過ぎないか?
検察の役割は、正しく犯罪者を見つけ起訴する事だが、
やたらと犯罪者を作ることではないはず。
生後4ヶ月から3年余り、引き離された時間は戻って来ない。
できることなら警察や検察、協力した医師たちに、
その時間を返して欲しい、と訴えるこの母親の言葉を、
犯罪を作り上げようとした人達はどう思って聞いているのだろう。
虐待は止めなければいけない。
だが、こういった揺さぶり症候群による裁判が相次いでいるのは、
実は警察や検察だけの問題ではない。
乳幼児で、硬膜下血腫・網膜出血・脳浮腫の三主徴があれば、
交通事故か3m以上の落下がなければ、
恐らく揺さぶり症候群による虐待、というふざけたマニュアルがあるせいなのだ。
SBS理論、と言われるこの論文が、
イギリスの医師によって提唱されたのは1971年。
それが80年代から90年代にかけて欧米で広まったが、
その90年代に既に科学的根拠を疑問視する声が出始めていた。
イギリスでは2005年に、
三症状があったとしても、
それらが直ちに揺さぶりを原因とするとは言えない、という判決が出ており、
2011年には、なんと提唱した医師自身が、
SBSは仮説であり、明確な医学的・科学的事実はない、と述べ、
SBSに基づく逮捕・起訴に警告を発しているのだ。
にもかかわらず、我国では欧米で疑問視されるようになった後で、
厚労省が揺さぶり症候群のマニュアルを作り、
適用させてきた。
SBS理論を取り入れた時には、
既に批判が出ていた訳だ。
しかも、検察は容疑を固める為に、
脳の専門家たる脳神経外科医の意見は聞かず、
小児科医の意見のみを取り上げてきた。
結局都合のよい証言をしてくれる医師を引っ張り出すことで有罪にしようとした訳だが、
弁護側がより専門性の高い脳神経外科医に証言させた結果、
裁判所はそちらの意見を認め、
無罪判決を下した、という事になる。
これだけ無罪判決が続く、という事は、
そもそも検察が描いた青写真の、
最初の前提が間違っていたのだ、と、
いい加減気づいて欲しい。
繰り返して言う。
検察の仕事とは
犯罪者に正しく罪を問うことであって、
犯罪者を作り上げる事では断じて無い。
冤罪を生むことは、
それ自体が犯罪に等しい、という事を、
全ての検察官は、もう一度肝に銘じて欲しい。