「12人の優しい日本人」(1991年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

中原俊監督による日本のコメディ映画。出演は見三省、相島一之、上田耕一。

 

 

<あらすじ>

 

殺人事件の陪審員12名が集められた。12名の一致がなければ評決は成立しない。被告は21歳の母親で、夫殺しの罪を疑われていた。それぞれが意見を言い合うが、陪審員に駆り出された人間はすべてが協力的というわけではなかった。

 

早く帰りたいためか、最初の評決で全員無罪に手を挙げた。だがそれでは納得いかない陪審員が有罪に変えた。その男は他の陪審員に「なぜ無罪と思ったのか」としつこく食い下がる。誰も明確な根拠を持っていない。早く帰りたかっただけなのだ。

 

ところがしつこくやり取りしているうちに、主婦の証言に矛盾点が浮かび上がる。しかし、証言者の話にも矛盾点があり、最後は話し合いで全員無罪で落ち着く。

 

<雑感>

 

この作品は実際に見てみないと面白さが伝わらない。裁判ものの面白さに加え、科白のやり取りの妙がある。それぞれの陪審員のやり取りを聞いているだけで時間があっという間に過ぎていく。中原俊監督作品の中でも面白い部類に入るので、未視聴の方はぜひ。

 

当時は若い実力派の俳優を集めて使っていた印象だったが、30年ほど過ぎてみると邦画やドラマには欠かせない俳優ばかりになっている。衣装は当時の流行のまま。これも懐かしい。オレたちの世代はああいうブカブカの衣装が流行っていたのだ。

 

☆5.0。公開当時に劇場鑑賞して以来、33年ぶりの鑑賞だった。こみ上げるものがあるな。当時、中原俊監督は絶好調だったんだよな。