「MONSTERZ モンスターズ」(2014年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

中田秀夫監督による日本のホラー映画。出演は藤原竜也、山田孝之、石原さとみ。

 

 

<あらすじ>

 

少年は眼に見える人間すべてを自由に操ることができた。暴力を振るう父を自殺に追い込み、恐怖に駆られ自分を殺そうとした母も殺そうとしたが、それは少年にはできなかった。大人になった彼は、人を操って大金を手に入れ、ホテルで優雅に暮らした。

 

ある日のこと、彼は引っ越し業者として忙しく働く田中終一という男を操ろうとした。ところが、終一はなぜか操れなかった。終一は車に撥ねられた。自分が唯一操れなかった男のあっけない死に、彼は何の感慨も湧かなかった。だが、終一は生きていた。

 

終一は仕事を馘首になった。事故を起こした運転手から慰謝料を取ろうとしたが、その人物は小さな楽器店のオーナーで、店を畳んで金を作るしかないと知り、慰謝料の代わりに店で働かせてもらうことにした。

 

人を操れる男は、終一を監視していた。彼は店主の誕生日パーティーに乗り込み、パーティー参加者を操り店主を殺し、終一を気絶させた。警察の事情聴取を受けた終一は、人を操れる人間の存在を話す。その際に、店主の娘が親を殺した(窓際に立たせた店主の背中を押させた)ことは伏せた。タブレットに録画されたその部分を消そうとしたとき、また彼が襲ってきた。

 

彼は、自分が唯一操れない終一を、何度も襲って殺そうとした。警察署に連行されたときは、警官を操って殺そうとした。この一件で警察は彼の能力が本物であることを認め、彼を指名手配した。彼は徐々に追い詰められ、実家の母のところにも警官が大勢押し掛けた。彼の母は自殺した。

 

終一は、動画編集をしていないことを気にかけていた。しかし間に合わず、店主の娘はその映像を目にしてしまった。終一は彼女を慰めた。

 

そして決着のときが来た。新宿において、彼は多くの人間を自殺させ、多くの人間を操り終一を襲わせた。だが、人を操るたびに彼の肉体は蝕まれ、壊死していたのだ。

 

ついに彼の身体は限界を迎える。彼は大切にしてきた漫画を落としてしまったが、拾えなかった。そこには彼の名前が記されていた。終一はそれを拾い、彼が化物などではなく、ちゃんと名前があることに安心した。

 

彼はいま死のうとしていた。しかし、終一は身を挺して彼を守った。彼は警察に保護された。そして、終一から言われた通り、生きる道を選んだ。瀕死の重傷を負った終一であったが、彼は回復して、店主の娘らといままで通りの時間を過ごした。

 

<雑感>

 

アマゾンのウォッチリストが空になったので、別の配信サイトのプレミア特典から選んで視聴中。

 

藤原竜也主演の作品の中ではあまり評判が良くないらしいのだが、オレは好きだったけどな。名前のわからない主人公が、脚を引きずりながら母に愛されなかった復讐をしていくなかで、唯一操れない男を見つけてしまい、彼に執着していく。

 

しかし、能力を使えば使うほどに彼は名前を失い、人から「化け物」と呼ばれるようになる。母は彼を拒絶し続けて名前を呼んでくれない。どんどん孤立して、能力だけが自分の存在証明になる。ところが能力を使えば使うほど、彼の身体は壊れ、壊死していく。

 

彼が操れない唯一の男・終一だけが、彼のことをわかってくれて、死ぬまで能力を使い続けようとしていた彼を止めてくれた。いい話じゃないのかな? もっと激しいオチが良かったということだろうか? 世間のことはよくわからん。

 

落下シーンのチープさだろうか? 映像はやはりチープなんだよな。

 

☆4.0。映像はやはり物足らない。もっとできるはずなのにな。