「12ヶ月のカイ」(2020年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

亀山睦木監督による日本のSF映画。出演は中垣内彩加、工藤孝生、岡田深。

 

 

<あらすじ>

 

少し未来の東京。WEBデザイナーとして働くキョウカは、日常生活を共に送れるヒューマノイド「パーソナル・ケア・ヒューマノイド」のカイを手に入れる。キョウカとの会話を重ね、持ち主について徐々に学習していくカイ。キョウカはやがてカイに「物として以上の感情」を持ち始めるが、ある月、彼らは人間とヒューマノイドの間に命を生みだしてしまう。

 

予期せぬ事態に対し、キョウカは友人たち、母親、そしてもうひとりのPCHオーナーのシンとの対話を重ね、急速に変化する現実に翻弄されながらも未来を決めていく。

 

だが、カイは、PCHメーカーが作った人工生殖能力を持つヒューマノイドで、最初から社会実験としてキョウカは妊娠させられたのだった。キョウカは、人間ではない新人類を生むが、悩んだ挙句に赤ん坊を殺そうとした。それを阻んだのは、社会実験を計画していた組織だった。

 

キョウカは、記憶を消され、また新たにカイとの生活をやり直すことになった。

 

<雑感>

 

ちょっと脚本が練られていないというか、この設定ならもっとやれた気がする。だからもったいないという印象。

 

カイとの出会いから、妊娠・出産、別れまでの1年間を描いているのだが、PCHの製造会社の目論見が判明するのが遅く、展開に乏しいまま終わってしまった。妊娠なんて冒頭5分で判明させて、妊娠したままカイの秘密を暴いていくスリリングな展開が欲しかったぜ。

 

それに、機械との間に新人類を生むのではなく、PCHが遺伝子改良されたデザイナーズチルドレンを確実に妊娠できる生殖機械だったら、もっと面白くなったのではないかな。人間じゃないものを出産させたことでテーマがぼやけた気がする。

 

終わり方も物足りない。

 

☆3.0。設定は良かっただけに残念。でもギリギリ合格かな。