「デウス 侵略」(2022年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

スティーブ・ストーン監督によるイギリスのSF映画。出演はクラウディア・ブラック、デヴィッド・オハラ、フィル・デイヴィス。

 

 

<あらすじ>

 

地球は滅亡しつつあった。カーラの家族は死んでしまった。カーラはアキリーズ号に乗船し、火星軌道上にある謎の球体へと向かった。乗員は人工冬眠から覚め、地上と球体から発せられる信号を受け取った。球体は、神を現す「デウス」を繰り返した。

 

球体が敵なのか味方なのか、あるいは人類滅亡を前にした政府の陰謀なのかは我にもわからない。だが他に希望はなかった。球体に近づくにつれて、アキリーズ号の乗員は幻覚を見ることとなり、怯え出す者が続出した。カーラも失った母と娘の幻覚を見た。

 

乗員のサイが発狂して撃ち殺され、テズも騒動の中で死んだ。残る乗員は4人。彼らは黒い球体の内部に潜入する。人工知能のミズが球体からの信号を解読する。「私は創造主の代弁者で、万物存在の始まりと終わりを司る者です」と自己紹介し、今後地球は一瞬で消滅するのだという。

 

創造主は、門をくぐった者だけが生き残るという。彼が選んだのはカーラであった。カーラは門をくぐった。そこには母がおり、娘が走り寄ってきた。また一瞬で船内に戻り、カーラは人類に向けて、門の向こうは天国のようなところだったと答えた。

 

だが、カーラは船長を疑っていた。そこで彼のコールドスリープ用の部屋に入ると、武器と乗員の個人情報があった。カーラと船長はもみ合いになり、船長は死んだ。そこでカーラは軍人のウルフとともに、球体の爆破を試みる。

 

すると地球から連絡があり、球体は人類が作ったものだと明かされた。人類は数を増やしすぎた。そこで150億人を球体を使って殺し、残りの60億人で世界をやり直す計画だった。地球規模の災害も政府が仕組んだもので、母と娘はそのために殺された。

 

激怒したカーラであったが、ウルフはカーラに対し真実を暴く使命を与え、自分は球体を爆破するために凝ると言い出した。カーラは脱出艇の中から球体の爆破を眺める。

 

<雑感>

 

昨今のSF映画は設定ばかり立派で映像が伴っていないものが多いが、この作品はそこそこ宇宙での描写も頑張っていた。船内の様子や、乗員の緊張感もそこそこいい。だが、内容が伴っていない。神の名を使って人類を間引くという設定があまりにも陳腐だ。

 

謎が謎を呼んでも、すべて明らかになって観ればガッカリでは話にならない。

 

☆3.0。誰か悪い人間が神の名を使ってナチスみたいな計画を立てたというなら、もっと話は盛り上げられるはずだ。