「魔王ダンテ」(2002年作品)第12話 感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

原作:永井豪、監督:前島健一、シリーズ構成:上原正三、制作:マジックバス。

 

 

第十二話 窮地

 

神との戦いが迫る中、メドッサは大魔王サタンの封印から解き放つべく、魔界に侵入する…!!

 

<雑感>

 

キリスト教が欧州をはじめ世界中に布教されていく過程で、土地の土着的な宗教を根こそぎ破壊してきた歴史があって、それが「悪魔=先住民族」のイメージになっている。これは「デビルマン」も同じ。「デビルマン」は、ジョン・ミルトンの「失楽園」のイメージも借用しているので、宇宙から地球にやってくる存在としても描写されている。

 

そのあたりは結構曖昧なままだ。

 

「魔王ダンテ」では、神のイメージもキリスト教の神や、ギリシアの神々のイメージがごっちゃになっていて、漫画としてそれほど完成されているわけではない「デビルマン」よりさらにイメージが曖昧になっている。70年代には神と悪魔の争いを描くこと自体が「壮大」だと思われていたので、SFでは多く借用されていたものだ。

 

現在の価値観に照らすと、さすがに陳腐な設定になっているが、こういう表現が過去に作品としてまとめられたことが日本の漫画に大きな影響を与えている。