「テキサス人」(1938年作品)感想 | 深層昭和帯

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ジェームズ・P・ホーガン監督によるアメリカの西部劇映画。出演はランドルフ・スコット、ジョーン・ベネット、メイ・ロブソン。

 

 

<あらすじ>

 

北部から南部へとやってきた悪徳政治家ミドルブラックにより、南軍兵士カーク・ジョーダンの故郷は荒らされていた。南軍の史観は女性活動家アイビー・プレストンを使って武器を調達。メキシコ軍と組んで北軍相手にもう一戦挑もうとしていた。だが、カークはそれどころではないだろうとの思いが強かった。

 

牧場に戻ったカークは、鉄道を使った新たな商売などを勧めたが、そこにやってきたのがミドルブラックだった。彼は牧場の家畜に重税をかけて帰っていった。これでは働けど働けど暮らしは良くならない。しかも税を滞納すれば牧場を抵当に取るという。

 

アイビーとカークは意見が一致し、税として取られる前に家畜を処分しようと荒野へと乗り出した。荒野にはインディアンが闊歩しており、またミドルブラックの姪を受けた騎兵隊も彼らの敵だった。彼らを助けてくれたのは、アイビーが参加していた南軍レジスタンスのアランであったが、彼は計画が失敗したことでカークの一行に加わった。

 

カークらが家畜を送り届けたことで、テキサスの鉄道会社は息を吹き返した。するとまたしてもアランはテキサス独立の活動を開始した。アランを慕っていたアイビーであったが、彼を見限ってカークについて行くことになった。

 

<雑感>

 

ダダ広いアメリカでは、育てた牛を消費地にどうやって運ぶかが長年重要な課題だった。町を離れて荒野へ出れば、インディアンならぬアメリカ先住民の襲撃を受け(別に家畜を狙ったわけじゃないと思うが)、悪徳政治家の息のかかった騎兵隊に追われ、流れ者の悪党に追われ、大変な思いをする。

 

その危険な役割を担ったのがカウボーイだ。だから、カウボーイは勇気ある男の象徴でもある。

 

鉄道ができる前は、カウボーイが牛の隊列を率いて消費地まで牛を運んでいたが、この映画では鉄道と併用する形で、駅のある街まで運ぶ話になっている。鉄道網が出来上がるまではこんな感じだったのだろう。

 

ジョーン・ベネットの、テキサス娘然とした風貌が実によく似合っている。実際の彼女は別にテキサス生まれではないのだが、テキサス顔みたいなものがあって、その系統なのだ。テキサスは美人の多い土地だ。でもみんな機関銃を装備している。

 

☆4.2。この作品は驚くほど良かった。牛が入り乱れるだけでなんだか興奮するな。