「怪異と乙女と神隠し」(2024年春作品)第8話 感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

原作:ぬじま、監督:望月智充、制作:ゼロジー。

 

 

エピソード8 - 本と不倫と人魚姫

 

幼い頃の菫子は、口下手でトラブルを起こしやすい子どもだった。その日も友達とケンカをして逃げ出してしまい、走るうちに辿り着いたのが“玉心堂書店”だった。店主の女性は本を読んで涙を流し、菫子にも本を薦めた。店に入り浸って読書に没頭するようになった菫子に、店主はうまく喋るために「文章を書いてごらん」と助言する。

 

<雑感>

 

玉心院、書籍姫、本姫は、実在したとされる人物で、かつて全勝寺にその御文庫があった。噂に聞いていただけだったが、さすが好事家というのは抜け目ないもので、記憶の奥底に眠っていた記憶もこうしてアニメ作品で思い出したりする。

 

話を聞いた当時はとにかく忙しくしていて、また、眉唾かもしれないとの疑念もあったことから全勝寺に脚を運ぶことはなかったが、数十年後にこういうことがあるとわかっていたなら無理矢理時間を作ってでも話を聞いておくべきだったかもしれない。

 

逸話はアニメに出てきたとおりのはずで、大変な量の本を読破し、あまつさえすべて2度は読んだとされる本好きのお姫様の話だ。本が好きすぎてこの世に未練を残し、妖怪のような(悪さはしなかったはず)扱いにもなっている。

 

劇中でも触れられていたが、いまはデジタル化の時代で、それはそれで非常に便利になったのだが、問題なのは、非常にマニアックな、要するに需要の乏しい本が、デジタル化されることなく処分される可能性があるということだ。

 

江戸時代の古書など、かなりの本が残っていて、かつては古本屋の組合のような組織の中で上手いこと需要と供給を結び付けていたのだが、古書店がなくなっていってそうしたネットワークが廃れ、ほんの行き場所がなくなっている。

 

本来それらは図書館に放り込んでおけばいいだけの話であったが、いまや図書館は左翼の利権の巣窟と化し、左翼関係の本以外は焚書されている状況。これが非常にまずい。左翼は基本的な知識に乏しいので、何をやらせても必ず失敗するのだ。図書館すら運営できない。

 

古い本は自分で価値の有無を決めずに片っ端から保管すればいいだけなのに、バカだからそれができない。マヌケとしか言いようがない。