「外人部隊」(1933年作品)感想 | 深層昭和帯

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ジャック・フェデー監督によるフランスのドラマ映画。出演はマリー・ベル、ピエール・リシャール=ウィルム、シャルル・ヴァネル。

 

 

<あらすじ>

 

ピエール・マルテルは、愛人のフローランスに貢ぐために会社の金を横領してしまった。叔父が資金援助を申し出たおかげで訴追は免れたものの、ピエールは海外に亡命せねばならなくなった。フローランスはピエールに冷たくなり、自棄になった彼はモロッコの外人部隊に身を投じた。

 

モロッコで戦争の訓練に明け暮れながらすさんだ生活を送っていた彼だったが、ある夜酒場でフローランスによく似た歌手のイルマを見つける。イルマはフローランスと違い強要はないが純粋な女だった。ふたりは結ばれ、恋人同士となった。

 

宿の女将ブランシュから金を借りたピエールは、イルマの身請けをする。イルマは宿で働き始め、ふたりは同棲するようになった。しかし彼女を巡ってブランシュの夫クレマンが言い寄り、ピエールとクレマンは争うことになった。そしてクレマンは不慮の死を遂げる。イルマンは怠惰な男であったため、ブランシュはピエールを庇って夫の死を伏せた。

 

戦争を生き延びたピエールは、国での5年の刑期を終え、帰国することになった。彼を助けてくれた伯父が亡くなり、彼には遺産が入った。ピエールとイルマはともにフランスへ帰国する運びとなったが、そんなおり、ピエールはフローランスと再会してしまう。

 

すぐに彼女への愛が戻った彼は、一緒に逃げようと持ち掛けるが、フローランスは彼を拒んだ。生きる気力を失ったピエールは、イルマに金を託してフランスへと旅立たせ、自分はモロッコに残って外人部隊に身を投じた。ブランシュの占いによれば、彼は死ぬ運命にあった。

 

<雑感>

 

恋愛というか、性欲というか、そういうものが絡むと冷静な判断ができなくなるので、まぁこういうこともあるだろうが、まるで自分に当てはまらないせいか、どうにも感情移入できないのだ。恋愛映画を見るのに向いていないのかもしれない。

 

新海誠なんかだとすぐに泣くのにな。少年少女の一途な愛なら感情移入できるのに。

 

この映画の場合、ピエールがフローランスと再会したときにこうなるだろうと予測はつくのだが、そのまま彼女にのめり込んでイルマを放置することが理解できない。よほど床上手なのか、なぜそこまで盲目となるのか。

 

☆3.4。無教養なイルマが一途に愛してくれているのに、そちらを選ばないピエールの下半身事情が気になって仕方ない。