「モンパルナスの夜」(1933年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督によるフランスのサスペンス映画。出演はハリー・ボール、ガストン・ジャケ、ダミア。

 

 

<あらすじ>

 

酒場のツケが溜まって困っていたフェリエールは、資産家の叔母を殺してくれたら10万フラン出すのだがと独り言を言った。すると彼のポケットに、殺人を請け負う手紙が入れられた。そこには、叔母の容姿、自宅の住所と見取り図、家の鍵などを郵便局に送れとの指示が。フェリエールは、指示通りに叔母の自宅を教える。

 

数日後、屋敷に忍び込む男ウルタンがいた。彼は簡単な泥棒だからと誘われて部屋に入ったが、彼が見たのはフェリエールの叔母の死体だった。現れたのは、チェコスロバキアからの留学生ラデックだった。殺したのはラデックだが、彼はウルタンを説得して罪を着せた。

 

事件を担当したメグレ警部は、ウルタンの心細そうな様子を見て真犯人を確信し、わざと彼を逃がせて部下に後を追わせた。そしてラデックを見つける。証拠を固めるために彼を尾行すると、ラデックは10万フランを受け取るためにフェリエール宅に入った。

 

そこで彼は金を受け取ろうとするが、余命いくばくもないラデックは、金よりフェリエールの愛人エドナを所望した。大胆な彼は、わざとメグレ警部を家に引き入れ、食事を共にする。フェリエールはメグレ警部の厳しい追及に耐えきれず自殺。メグレはラデック逮捕に踏み切る。

 

ラデックが人を刺して逃げ出す。病魔に侵された彼は、車に轢かれて死んだ。死に際、彼はウルタンの無罪を告げた。

 

<雑感>

 

緊張感溢れる作品だった。メグレ警部がこれほど必死な姿を見たことない。ちゃんと描けばいいキャラなんだな。ラデック役の男性が、どことなく東洋人のような風貌で、ちょっとさべつてきなものをかんじたのだが、勘違いかもしれない。

 

フェリエールはいわゆる怠惰なブルジョワで、そういう人物を激しく憎むラデックと対比させてあった。この構図がイマイチよくわからない。

 

☆3.4。ラデックが気になる作品だった。西洋人の顔には見えないんだよな。