カルミネ・ガローネ監督によるイタリア・スペイン・フランスの歴史映画。出演はマリア・フェリックス、ジョルジュ・マルシャル、クローディアス。
<あらすじ>
皇帝クロウディウスの妃メッサリナは、妖艶な美しさで皇帝を操り、権勢をほしいままにしていた。放蕩な彼女は皇帝以外に多くの男をベッドに引き込んでいたが、男漁りを咎めた重臣を死に追いやることさえあった。
残虐な性格ゆえに多くの恨みを買った彼女は、あるとき生贄の踊り子シンシアを救おうと乗り込んできた青年ティーノを、慰み者として生贄にしようとした。しかしティーノはシンシアの真摯な祈りの前に助かり、剣闘士との戦いも生き残り、最後は反皇帝派の象徴だったヴァレリウスの後継者ガイウス・シリウスに命を助けられた。
メッサリナは、予言で余命9日と示されたクロウディウスを見限り、ガイウス・シリウスと結婚式を挙げた。すべては彼女の考えで、皇帝を毒殺してガイウス・シリウスを皇帝の座につけるつもりであったが、クロウディウスはいよいよメッサリナに愛想を尽かし、王妃の座から引きずり下ろした。
一方、ガイウスもまたメッサリナと結婚したことで仲間の信頼を失い、殺されてしまった。すべてを失ったメッサリナもまた殺され、その以外は娼婦のものとして軽蔑された。
<雑感>
メッサリナに対するイメージは特定の書物の影響が強いそうで、実際は映画などで描かれているような人物ではないそうだが、いわゆる毒婦として後世に語り継がれている女性のひとりだ。この1951年版は、破滅の過程がガイウス・シリウスとの婚儀が原因となっている。皇帝暗殺を目論んだ部分は、ルキウスの事件と一緒になっているんじゃないかな。
☆4.0。これも世界史に詳しくないと背景が曖昧なまま見ることになる。クロウディウスは毒キノコを食べて死んでいる。