「フェーンチャン ぼくの恋人」(2003年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

コムグリット・ドゥリーウィモン監督によるタイの恋愛映画。出演はチャーリー・タライラット、フォーカス・ジラクン、チャルームポン・ティカマポーンティラウォン。

 

 

<あらすじ>

 

タイのバンコックで建築デザイナーをしているジアップは、母親からの電話で幼馴染で淡い初恋の相手でもあったノイナーから結婚式の招待状が届いていることを知らされる。

 

ジアップとノイナーの家は一軒の万屋を挟んで並び、どちらも理髪店を営んでいた。父親どうしは互いをライバル視していたが、母親たちは仲が良く、ジアップとノイナーもいつも一緒に遊んでいた。

 

小学生になり、ジアップは男の子のグループに入りたいと思うようになるが、ガキ大将のジャックはジアップに仲間に入るための3つの条件を提示する。だが、その条件はノイナーを傷つけ、その後ノイナーの一家は引越ししてしまい、ジアップは「ごめん」と言う機会を逸していた。

 

ジアップはノイナーの結婚式に出席して、変わらぬ彼女の姿を見る。

 

<雑感>

 

少年時代、身近にいる幼馴染に恋をする。ふたりともまだ日本のアニメを見ているころの年齢だ。しかし、少年は仲間を増やすためにいつか通過儀礼として大好きな女の子を突き放す行動を取らなければならない。

 

そのときに起こった心の深い傷を描いた作品だ。

 

心に傷といっても、ノイナーが大好きなゴム飛びのゴムを切って、「なんでこんなひどいことをするの?」と迫ったノイナーを突き飛ばしただけなのだが、嫌いなわけじゃないのに、男の子の仲間に入りたくてやっただけのことを、謝る機会を失ったまま彼女は引っ越ししてしまい、ずっとそれが記憶に残ることになった。

 

そんな幼い日の小さな後悔を胸に、彼女の結婚式に参加する。その晴れやかな姿に彼は安心するのだ。

 

ノイナーは、突き飛ばされたことはおそらく忘れていて、引っ越しの挨拶も出来ずに別れてしまった幼馴染のことが心残りで、ダメもとでジアップの実家に結婚式の紹介状を送ったのだろう。結婚式に招待された最初のところで、ジアップの行いが大きな問題ではないことが示されている。

 

☆5.0。なんて可愛い、素晴らしい映画であろうか。邦画っぽいのに、いまの邦画ときたら気狂いと貧乏人とレイプばかり。誰が金払ってそんなもの観たいんだよ。