「ジャン・ルノワールのトニ」(1935年作品)感想 | 深層昭和帯

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ジャン・ルノワール監督によるフランスのドラマ映画。出演はシャルル・ブラヴェット、ジェニ・エリア、アンドレ・コヴァケヴィチ。

 

 

<あらすじ>

 

イタリア人のトニは下宿の娘マリーに好かれながらも、友人のぶどう園主セバスチァンの娘ジョゼファに恋をし、求婚する。しかし、彼の働く採石現場の監督アルベールが無理矢理に彼女をものにし、彼らは結婚する。

 

トニはマリーと結婚。しかし喧嘩が絶えず、マリーは自殺未遂を経てトニを拒むようになる。マリーは別の男と暮らし始めたがそれも嫌になって従兄弟のガビと逃げることに。その寸前、新し従妹を銃で撃ったマリーに恐れをなしたガビは、マリーを残して去っていった。

 

トニが死体の処理をしていると警察に見つかってしまった。逃げるトニ。最後は警官に撃たれて死んでしまった。

 

3年前、フランスにやってきたばかりのころのトニは希望に溢れていたが、絶望のうちに彼は死んでいった。

 

<雑感>

 

これは良かったね。トニが警察から逃れるために鉄橋の上を走っていくシーンがあるのだが、ロケで撮影されたそのシーンが素晴らしい構図で驚く。

 

☆4.0。希望を抱き、真面目に働き、恋をしても何も得られなかったひとりの労働者の話。