「アステロイド・シティ」(2023年作品)感想 | 深層昭和帯

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ウェス・アンダーソン監督によるアメリカのコメディ映画。出演はジェイソン・シュワルツマン、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス。

 

 

<あらすじ>

 

時は1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街、アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが最大の観光名所であるこの街に、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子供たちとその家族が招待される。

 

街には4人の子供を抱えながら妻を失った男。グラマーな女。街の外では核実験。そんななか、科学イベントが開催される。そこに突然宇宙人がやって来る。すべてを隠蔽しようと駆けつける軍。子供たちは、砂漠の真ん中の何もない町からこの重要情報を外部に伝えようとする。

 

<雑感>

 

特にオチはないようだ。なんだろう? 核実験にかこつけて宇宙人を殺したのかな?

 

この映画の特徴は、淡い色彩で統一された色調。これが実に50年代的。そこに、それほど冴えない普通のアメリカ人っぽい人物を配役して、50年代の普通の砂漠の街の、普通の日常を作り出している。登場する家々は、アメリカで50年代に流行した統一規格の簡易ハウス。

 

隅から隅まで50年代の牧歌的な世界観が作られている。そこに宇宙人が登場するのだが、この宇宙人も50年代的な宇宙人で、決して暴力的ではなく、友好的だ。ただ何を考えているのかわからないので排除されてしまう。

 

☆4.0。個人的に嫌いじゃない世界観。リアリティの真逆を行く、作り物に徹した作品だった。