「新造人間キャシャーン」(1973年作品)第21~24話 感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

原作:吉田竜夫、総監督:笹川ひろし、制作:タツノコプロ。

 

 

#21 ロボット・ハイジャック

 

負傷した牧師と、彼を介抱するために同伴したルナの乗った飛行機がアンドロ軍団によってハイジャックされた。機内にルナがいることを知り、乗客の命とキャシャーンとの交換を持ち掛けるアンドロ軍団。キャシャーンに救われたことも忘れ、自分たちの命が大事だと迫る乗客に愕然としながらも、ルナはついにキャシャーンの居場所を教えてしまう。

 

#22 脱走ロボット・ロメオ

 

鉄不足に悩むアンドロ軍団は、壊れたロボットを溶かして再利用しようとする。それを恐れた一体のロボットがとある街に逃げ込んできた。最初は敵視されていた彼も、壊れた箇所を修理され、ロメオという名前をもらい、次第に街の生活にとけこみ始める。だが、アンドロ軍団がその街に膨大な鉄鋼脈が眠っていることを知って、攻撃を仕掛けてきた。

 

#23 ロボット工場大脱出

 

天使の住む街と言われたポポロ。アンドロ軍団によって破壊されたこの街で、キャシャーンはミレーヌという一人の少女と出会う。聞けば彼女の兄ビリーが、エンジニアスクールの仲間とともにアンドロ軍団に連れ去られたという。キャシャーンはそこで息を引き取った彼女のために、ビリーを助けだそうと決心する。

 

#24 バウンダーロボの挑戦

 

アンドロ軍団が新たに製作したバウンダーロボはゴムの体を持ち、それまでのロボットの弱点を克服した恐ろしい敵であった。ブライキング・ボスはバウンダーロボを大量生産するため、ゴムの宝庫ハズミンダ国を襲う。ハズミンダ国を救いゴム工場を奪還するために軍隊と食糧が送られるが、それを予想したブライキング・ボスによって飛行機や船が次々と撃沈される。

 

<雑感>

 

子供のころ、「新造人間キャシャーン」で最も印象的だったのは、常に廃墟で戦っていることだった。

 

子供は感性が豊かであるため、人間の文化がブライキング・ボスに破壊されたことはちゃんと理解しており、人間を裏切ったロボットへの憎しみは強かった。理解できなかったのは、奴隷になってでも生き延びようとする人間である。

 

これがまともな感性というもので、「相手が攻めてきたら降伏して奴隷になろう」などという戦後民主主義的常識など頭が洗脳されない限り出てこない発想である。戦って負けたのならともかく、「戦うくらいなら奴隷になる」などというのは論外なのだ。