「回路」(2000年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

黒沢清監督による日本のホラー映画。出演は加藤晴彦、麻生久美子、小雪。

 

 

<あらすじ>

 

会社を休んでいた田口が、同僚の前で自殺した。奇妙な死に方だったため、会社の友人矢部が調べてみると、彼が写った奇妙な写真が見つかった。そのあとのこと、死んだ田口から電話が掛かってくる。彼のアパートに向かうと「開かずの間の作り方」が書かれた紙片を発見した。

 

帰り道のこと、紙片にある「開かずの間」と同じ部屋を発見する。本当に開かずの間なのか気になった矢部は、部屋に入ってみた。すると、何者かの襲撃を受ける。

 

矢部が行方不明になり、さらに上司もいなくなる。同僚も姿を消し、同じような現象が日本のみならず世界で頻発していた。田口のパソコンの中にあった画像がヒントになっていたが、もはやそれを知る人はいない。矢部の同僚の順子もいなくなる。だが、大学生の川島亮介と、唐沢春江は気づいていた。

 

亮介は、サークルの先輩である吉崎から、幽霊が現実の世界に出現していると聞かされる。確かに世界は徐々に変化していた。それらには「開かずの間」が関係している。吉崎が研究していた、人間の生存環境に関する研究が示唆していた内容だったが、その研究成果も封じられ、世界は現実と幽霊の世界が回路で繋がった状態が当たり前になった。

 

亮介らは海へと逃れ、ブラジルまで逃げることになった。

 

<雑感>

 

訳がわかんない作品なんだけど、黒沢清監督は映像で説得力を持たせるから、気がつくと最後までちゃんと見てしまっている。田口が見つけたのか誰かに教わった「開かずの間の作り方」と、吉崎が研究していた「人間の生存環境の在り方」が映画の中で起こる出来事と関係があって、説明はほぼこのふたつだけだ。

 

田口は、言ってみればパソコンの中に入る方法を見つけ、吉崎はそれが実態を持つ別の世界であることを発見する。両者は繫がりがあるが、並行世界ではないようで、その辺が曖昧なままだ。

 

☆3.3。個人的には嫌いじゃない。こういうホラーがあってもいいと思うけどな。