ラナ・ゴゴベリゼ監督によるジョージア・フランスのドラマ映画。出演はナナ・ジョルジャゼ、グランダ・ガブニア、ズラ・キプシゼ。
＜あらすじ＞
トビリシの旧市街の片隅。作家のエレネは生まれた時からの古い家で娘夫婦と暮らしている。今日は彼女の79歳の誕生日だが、家族の誰もが忘れていた。娘は、姑のミランダにアルツハイマーの症状が出始めたので、この家に引っ越しさせるという。
ミランダはソヴィエト時代、政府の高官だった。そこへかつての恋人アルチルから数十年ぶりに電話がかかってくる。それが認知症の彼女に、旧ソビエト時代の記憶を蘇らせる。ミランダは政府高官で、弾圧を加える側の人間だった。
だが、後悔はあるが、ミランダは決して悪人というわけではない。時代が彼女に仕事を強いただけなのだ。
＜雑感＞
旧ソビエト時代を生きた人間が、認知症という記憶を失っていく病の中で、過去の記憶を思い出し、過去を払拭するための善行は忘れてしまう悲しい物語でした。見る側に解釈を委ねる作品なので、琴線に引っかかったところを愛でればいいと思う。
☆4.0。やはりこういう味のある作品は、映画を見た満足感が高い。
