「バウンティフルへの旅」(1985年作品)感想 | 深層昭和帯

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ピーター・マスターソン監督によるアメリカのドラマ映画。出演はジェラルディン・ペイジ、ジョン・ハード、レベッカ・デモーネイ。

 

 

<あらすじ>

 

キャリー・ワッツは、息子ルディとその妻ジェシー・メイと暮らしていたが、口うるさいことにウンザリしており、小切手を貯めて家を出た。彼女が乗った記者が向かう先は、故郷バウンティフルの町。だが、テキサスの停留所にいるところを、息子が出した捜索願から役人に発見されてしまう。

 

家に帰そうと躍起になる彼に対し、故郷が見たいだけだと懇願するキャリー。その熱意にほだされた役人は、少しだけならとキャリーを見逃すことにした。

 

胸を高鳴らせ、バウンティフルに降り立った彼女が見たものは、住む人もいなくなった廃墟と化した町だった。幼いころの幻影を追いかけながら、現実に絶望するキャリー。そんな彼女を、ルディとジェシー・メイが迎えに来た。

 

<雑感>

 

この映画は想い出の映画。見たのは公開時じゃなくてもっと後だったはずで、号泣した作品。

 

廃墟になった想い出の家に呆然とする母親を、息子が迎えに来るのだけど、そこで息子が母親に謝罪するんだよね、ルディとジェシーには子供がいなくて、もうできないだろうと諦めている。ジェシーはもっと良くなるだろうとバウンティフルを離れたのに、彼女と息子は思い通りの人生を歩めなかった。

 

街も、思い出も、そしていつかキャリーも消えていく。日常の些細な揉め事から離れて、人生と向き合い、自分の無力さに打ちひしがれるところが琴線に触れたんだな。これは本当にいい映画だった。ジェシー・メイとの間の嫁姑映画でもある。

 

☆3.8。キャリーおばあちゃんが好きになる作品。