「アップグレード:どん底女子の幸せ探し」(2024年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

カールソン・ヤング監督によるアメリカのコメディ映画。出演はカミラ・メンデス、アーチー・ルノー、トーマス・クレッチマン。

 

 

<あらすじ>

 

アート業界での成功を夢見てオークション会社でインターンとして働くアナは、急遽上司クレアのロンドン出張に同行することに。思いがけずファーストクラスにアップグレードされ、快適な空の旅を楽しむアナの前に現れたのはハンサムで裕福なウィリアム。

 

ウィリアムと親しくなった彼女は、彼の女優をやっている母親キャサリンとも親しくなる。ロンドンでいったん別れたアナは、忙しい日々に巻き込まれていく。ちょうどそのとき、貴重なコレクションがオークションに出てきた。多くの仕事をこなしながら状況に対応していくアナ。

 

ウィリアムの車にパソコンを忘れたアナは、安宿にチェックインすると、彼の家のパーティーに参加する。そこで、オークションに出す貴重なコレクションというのは、キャサリンのものだとわかった。売り出す絵は、ロシア人だった彼女の前夫のもので、愛をテーマにしたものばかり。アナがそれを教えると、キャサリンは急に作品に愛情を持つようになった。

 

アナはオークション会社のNY支店長(クレアの肩書)を名乗って、キャサリンに取り入った。

 

ところが、キャサリンはオークションへの出品を取りやめた。アナの会社は大騒ぎとなり、犯人探しを始めた。アナが犯人だということはすぐにバレた。さらにウィリアムとの関係も破綻してしまう。クレアはアナを馘首にする。また居候に戻るのかと落ち込んでいると、居候宅には犬がやってきており、彼女の居場所は奪われていた。

 

アナはキャサリンに会いに出掛け、ウソをついていたことを謝罪する。キャサリンは笑って本当のことを話す。絵を売るのに、より高値にするためにいったんオークションから離れただけだというのだ。絵を売る意思は変わっていなかった。キャサリンは、アナを伴い会社に赴く。そして担当にアナを指名。アナは、クレアとともに最低売り出し価格の見直しを始める。

 

オークションは大成功となり、アナは一気に会社の幹部に昇格。ロンドンからの帰りの飛行機はファーストクラスになった。さらに、ウィリアムとの関係も修復された。

 

<雑感>

 

2024年のアマゾンオリジナル作品。新しい作品で詳しい情報がなかったためにあらすじは詳しく書いておいた。

 

住む家さえない田舎の女性が、知識と度胸で出世していく話。ぞんざいに扱われる見習い時代、夢のようなアップグレードされた幻への惑溺、現実、正直、出世。アメリカ的なものがたくさん詰まった作品だった。正直さが状況を打破するのは、実にアメリカ的だ。

 

同じような働く女性の出世話は数多く、似たような映画が何本もある。だが、男の子が憧れるヒーロー映画が無数にあるように、女の子が憧れる物語も数多くあって構わない。むしろ少なすぎるくらいかもしれない。

 

☆4.0。アナとクレア、そしてキャサリンのキャラが立った、楽しい作品だった。