「RUBIKON ルビコン」(2022年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

マグダレナ・ラウリッチ監督によるオーストラリアのSF映画。出演はユリア・フランツ・リヒター、ジョージ・ブラグデン、マーク・イヴァニール。

 

 

<あらすじ>

 

2056年。地球は毒性を帯びた霧で全体が覆われてしまい。人類は存続の危機に直面していた。特殊訓練を受けた女戦闘員ハンナは、学者のギャビンとともに、地球軌道上の宇宙ステーション「ルビコン」に向かっていた。

 

彼女が受けた指令は、そこにいるドミトリ博士が開発に成功した循環システムの検証。このシステムを使えば、人類は生き延びることができるかもしれない。ハンナたちの到着と同時に、それまでに宇宙ステーションにいたクルーが帰還することに。

 

ところが、降下中のロケットは、汚染された大気層に阻まれ、クルー達は全滅。地球はさらに分厚い大気の層に覆われてしまう。それによって地球と連絡を取ることができない。「ルビコン」に取り残された3人、ハンナ、ギャビン、ディミトリ。地球に帰還するべきか、このまま宇宙ステーションに死ぬまで留まるべきか。

 

循環システムに使用される藻が無事だったことで、ハンナとギャビンは大気圏突入を決意する。ドミトリ博士は反対だったが、表向きは彼らに従い、地球に戻る準備を進める。ところが大気圏突入のための機体が冷却システムの故障で爆発寸前になってしまう。爆発を恐れたハンナは、機体を切り離した。その直後に爆発する。

 

地球でハンナと結婚することを夢見ていたギャビンは激怒。ハンナは冷却装置を止めたのはドミトリ博士だと見抜いて追及する。博士は見向きもされなかった自分の研究を、人類が危機になって初めて認め、すべてを奪おうとした人類に愛想を尽かしていた。博士は安全なルビコンで生涯を終えるつもりだったのだ。

 

博士を追求するハンナもまた、彼からすべてを奪うための「イカロス計画」について黙っていた。宇宙ステーションを切り離して一部を地球に降下させるこの作戦しか、地球に還る手段はなくなっていた。ところが今度はハンナがルビコンに残ると言い出し、イカロス計画のシステムを止めてしまった。

 

ハンナは独断で地球との通信の遮断してしまう。循環システムがなければ、わずかに残った人類は絶滅してしまうが、ハンナは自分のお腹の中にいるギャビンの子を安全に産むことに囚われていた。地球を守れなかったギャビンは自殺してしまう。ハンナらは彼を宇宙葬で宇宙に流した。

 

ルビコンのシステムは、3人いないと保守できない。ギャビンは大気圏突入カプセルを破壊した博士や、地球に戻らないと言い出したハンナに復讐するため、命を絶ったのだった。

 

その後、ハンナは出産。子供はすくすく育ち、地球からの電波をキャッチする。

 

<雑感>

 

これはまた微妙な作品。ルビコンの保守ができないと提示しておきながら、数年後、仲良く遊ぶハンナと博士の姿を出して「やっぱり無事でしたー」ってやるのはどうかね?

 

そこは大人しく全滅するか、新しい保守の方法を見つけるとか、循環システムだけは自動的に生き残るようにして、それを人類が発見したけどふたりは死んでいたってことにしてくれないと。

 

とにかく暗いよね。ハンナの気持ちの変化もそれほど感情移入できないし。一応彼女は、ロケットに登場していた兵士たちが見殺しにされたことに反発して、自らの貧しい生い立ちも鑑みて地球に戻らない決断をするんだけど、好きな男と喧嘩してまで反発するかな?

 

☆3.0。ギリギリ劇場鑑賞に耐えられるくらいの評価。でも面白いとは感じないだろうな。