谷山浩子ときたのじゅんこ | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

おじさんがYouTubeで動画を見始めた10年ほど前のこと。偶然、谷山浩子の楽曲にきたのじゅんこの絵を組み合わせて投稿している方を見かけた。

 

記事にしていいのかどうか迷ったのだが、音楽だけではなく美術の記事も書いていこうということで取り上げることにした。この記事がきっかけで動画が削除されたら本当にごめんなさい。でも10年もこのままなのだからおそらく大丈夫だよね?

 

 

「会いたくて」谷山浩子

 

 

谷山浩子さんは、中島みゆきさんなどと同世代のシンガーソングライターで、オレが高校受験を控えた中学3年生のときにラジオで知った。オールナイトニッポン第2部のパーソナリティだったはずだ。何曜日だったかは忘れた。

 

そのころから曲を聴き始め、思春期の頃、沢田聖子などと一緒によく聴いていた。多作な人なので全曲知っているわけではないが、かなりの曲を聴いて、聴いた曲はほとんど歌える。つまり聴き込んだ歌手のひとりである。

 

楽曲提供も数多く行っており、研ナオコが歌った劇場版の「未来少年コナン」のエンディングテーマ「なつかしい朝」も谷山浩子の曲である。研ナオコは表現力が素晴らしい。

 

 

一方、きたのじゅんこさんは、水彩色鉛筆を使った美麗な絵を得意としていて、天使をモチーフにすることが多い。最初に彼女の絵を目にしたのがいつだったか、どんな雑誌だったのか記憶が定かではないのだが、「月刊MOE」だったかなぁ。その辺はちょっと記憶にないのだが、画集は名古屋の大きな書店で見かけたんだな。

 

本屋のカウンターの後ろに、予約された本が並べてあって、その中にきたのじゅんこの画集があったのだ。普通、他人が予約した本は、背表紙しか見えないものじゃない。陳列してないわけだから。だけどその画集だけは、まるで陳列しているかのように表紙が正面を向いていた。オレは本屋のレジで「グイン・サーガ」の新刊を買ったときに、きたのじゅんこを知ったのだ。

 

何かの雑誌で少年の絵を目にした後だったので、「ああの画家か」と名前だけ記憶して、お金が自由に使えるようになってから画集を買い求めた。

 

彼女が使っている画材が水彩色鉛筆だと知ったのは、うーん、これも記憶が曖昧なのだが、コミカーズという雑誌で見たか読んだかしたのかな。別の雑誌だった気もするし、とにかく、20歳を過ぎて青春時代が終わり、朱夏を迎えたころ、きたのじゅんこの画集はずっとオレの近くにあった。

 

「いつか金持ちになって彼女の絵を買おう」という目標こそ果たせなかったが、画集を買い求め、ときおり彼女の絵を眺めて暮らせたことは、とても贅沢な時間だった。

 

美術界のことはまるで疎くて何も知らないオレだが、書店という場所はいつも何か新しい出会いをオレにもたらしてくれた。その書店がどんどんなくなっていることは、人生の大きな損失になっているのではないか。

 

だからこうしたゴミのような個人ブログでも、気になったことは書き残しておこうと。これは書店で誰かが何かに出会うものの代わりなのだと、そう考えることにしているんだ。