「剣風伝奇ベルセルク」(1998年冬作品)第23話 感想 | 深層昭和帯

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原作:三浦建太郎、監督:高橋ナオヒト、キャラデザイン:松原徳弘、制作:OLM TEAM IGUCHI。



第23話 前夜祭

グリフィスを救出したガッツたちは、地下通路から城外に脱出すると、彼を馬車に乗せ撤退した。そのあとをミッドランド正規軍が追いかけてきた。待機していたコルカスらに馬車を預け、ガッツ、キャスカ、ジュドー、ピピンはしんがりを務めた。

ところが正規軍は先回りして待ち構えていた。グリフィスの身柄を奪った彼らは、鷹の団にグリフィスの惨状を見せつけ、抵抗するだけ無駄だと説いた。この行動がガッツの勘気に触れてしまい、崖を駆け上がったガッツはそのまま隊長を殺害。グリフィスの身柄を奪い返し、押し寄せる兵士を屠っていった。

窮地は脱したものの、鷹の団は今後どうしたらいいのか途方に暮れていた。精神的支柱であったグリフィスさえ戻ればと団に残った人間も、グリフィスが人として生きることすらままならないと知って希望を失ってしまった。キャスカが団を率いるべきなのか議論になろうとしたとき、彼女は別動隊と合流するまで考えさせてほしいと頼んだ。

グリフィスは自分のふがいなさに怯え、キャスカにのしかかった。キャスカはそれを拒み、ガッツにもついていかないと決断した。そのころグリフィスはかつての夢を追う自分の幻影を見ていた。幼いころの自分を追いかけるように馬車の手綱を加えて走り出したグリフィスだったが、馬車から弾き飛ばされて川へと落ちた。その拍子に彼の腕は折れてしまった。

現実に戻った彼は、自死を考えた。それも上手くいかず絶望だけが彼を支配しているときに、ガッツがグリフィスに追いついた。グリフィスはそれを望んでいなかった。

<雑感>

絶望しかない。人を追い込む場面は多々あれど、ここまでやった漫画は他にあるのだろうか。それほどたくさん漫画を読んでいるわけじゃないからあるのかもしれないが、それにしても強烈だよな。みんな吃驚したと思うわ。鼻血出しながら読んでいる女の子の記憶がある。いつの記憶なのか定かじゃない。

漫画の歴史の中で屈指の名シーンであると同時に、おそらく邪道だよなぁ。三浦建太郎の原画がまたすごいんだ。