「快楽」(1952年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

マックス・オフュルスレ監督によるフランスの文芸映画。出演はクロード・ドーファン、ガビ・モルレ、ジャン・ギャラン。

 



<あらすじ>

第1話・仮面の男

仮面舞踏会で、美男子の仮面をつけていた老人が卒倒して倒れた。医者が家に送り届けると、妻は医者に対してどれほど夫が女好きで自分を苦しめたか愚痴を言い始めた。だが彼女はまんざらでもなさそうだった。

第2話・メゾン・テリエ

売春宿メゾン・テリエの女将は、彼女が名付け親になった少女の初聖礼拝受式に参加するために売春婦らを引き連れて出掛けた。突然やってきた美女軍団に村は大騒ぎになった。売春婦たちは、美しい少女の姿に在りし日を思い出し大いに泣いた。そして少女のように花を摘んで戻っていった。

第3話・モデル

無名の画家だったジャンは、ジョゼフィーヌをモデルに使った絵が売れて一躍流行画家になった。ふたりは付き合い始めたが、先生先生ともてはやされるジャンはすぐに女に飽きた。それでお前と結婚するつもりはないと宣言するとジョゼフィーヌは死んでやると窓から飛び降りた。幸い死にはせず、彼女が乗った車椅子はジャンが押した。

<雑感>

モーパッサンの短編小説の映画化作品。どれも微妙な女性の心理を描きている。第1話の女たらしの妻の心理はかなり笑える。現実世界で女たらしの妻に会ったことはないが、ホストの妻はこんな感じかなと思ってみたりする。

2話の売春婦たちや、3話のジョゼフィーヌも同様だ。そんな環境にある女性に会ったことがなくとも、何となく納得できる内容なのだ。

☆4.0。しっかりとした文芸作品を基にしていると、手堅く面白くなる。