「どろろと百鬼丸」(1969年作品)第20話(おんぶら鬼)感想 | 深層昭和帯

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カルピスまんが劇場のテロップが入る。カルピスの爽やかなイメージにまるでそぐわない。



3食食べ放題、1日銅銭5枚で子守りを募集している村があった。興味を持ったどろろはさっそく応募してみることにした。すると村では子守りが来たと大騒ぎになった。さっそく長者の家に案内されて御馳走をふるまわれた。どろろはそれを貪り食った。

3日分の銅銭を前払いで貰ったどろろは、夜中にこっそりと屋敷を物色した。どろろは天下の大泥棒なのだ。ところが村人たちに見つかってしまい、逃がすわけにはいかないではさっそく子守りをしてもらおうと村はずれの地蔵のところに連れていかれた。

この地蔵の子守りがどろろの仕事であった。地蔵は子守りを歌い、背負ってやらないとむずがって田畑を荒らすという。そこで子守りが必要なのであった。どろろはその夜から地蔵相手に子守り歌い、おんぶしたまま隣町へ歩かされて気狂い小僧と呼ばれるようになってしまった。

そのころ百鬼丸は、妖怪の正体を知って地蔵から本体が現れるのを待っていた。元の墓場に地蔵が戻ると、口の中から蜘蛛の妖怪が出現した。それこそが妖怪の正体だったのだ。

百鬼丸は吊るした地蔵をその蜘蛛の上に落とし、最後は両腕の妖刀で斬り倒して妖怪を退治した。

百鬼丸は背骨が戻った。

という話。これもなかなか面白い作品であった。少しコミカルな作りだが、ギャグに走らず地蔵の子守りをする仕事という設定でおかしみを出すことに成功している。

退屈になったら切ろうと思っていたのだが、意外に良く出来た話ばかりである。手塚の原作よりアニメオリジナルの方が完成度が高い。

やはりアニメ会社は文芸部を持つべきだよな。