「どろろと百鬼丸」(1969年作品)第19話(雷火犬)感想 | 深層昭和帯

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闘犬が盛んな村があった。その村では犬の闘争心を養うために犬を棒で叩いて苦しめていた。



その中の1匹に妖怪が取り憑いて人間を襲うようになった。その妖怪は狛犬のような姿をし、村外れの洞窟に住んで雷で通りかかった村人を焼き殺していた。名を雷火犬といった。

そこへやってきた百鬼丸は、妖怪の気配を察知して雷火犬に斬りかかるが、腕についた刀に落雷を受けて失神し、川に落ちて流されてしまった。残されたどろろとノタは、いつ雷火犬に殺されるかとヒヤヒヤするものの、妖怪は襲っては来ず、ノタの顔を舐めてついてこいという。

村人に虐待を受けていたその犬は、人への憎しみから妖怪に憑りつかれはしたが、本当はただ優しくしてもらいたいだけの普通の犬だったのだ。それを理解したのは子犬のノタだった。

村人に助けられてそのことを知った百鬼丸はどろろを村まで連れて行き、虐待される犬たちの実情を見せた。義憤にかられたどろろはその日の夜に下剤を犬たちに食わせて闘犬として戦えないようにした。村の祭りは弱った犬たちが戦わないために台無しになった。

そこへ雷火犬が岩場から降りてきた。雷火犬は村人たちに復讐して百鬼丸と闘うことになった。百鬼丸は竹槍で突いて雷火犬を追い詰めると、両腕の剣でとどめを刺した。

寂しいだけだった雷火犬は、ノタに顔を舐められながら死んでいった。

という話。シリアスで素晴らしい脚本。途中からギャグアニメになるという話は何だったんだ。あまり雰囲気は変わっていないぞ。

闘犬という、正直野蛮な風習を批判した回でした。でもまぁ・・・かといって、むかしは猟犬でもあったわけだから、闘争心とか獲物を見つける訓練はしなくてはいけなかったろうし、隔絶された田舎の村ではほかに楽しみもなかっただろうし。

そういう風習を守っている人たちを批判する気にはならないですけどね。