「しろばんば」(1962年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

滝沢英輔監督による日本の文芸映画。出演は芦川いづみ、島村徹、北林谷栄。

 



<あらすじ>

伊上洪作少年は複雑な家庭環境ながら祖母のぬいと土蔵で幸せに暮らしていた。叔母のさき子が担任となってさらに落ち着いてきところ、自分は祖母の孫などではないと知ることになった。複雑な家庭環境のことを意識するようになり、さらに好きなさき子の結婚話が持ち上がった。

彼は初めて自分の世界を憎むようになり、反発した。そんなとき、さき子が死んだ。

<雑感>

少年の揺れ動く複雑な心境を描いた作品。自分が生きる世界は、何も知らないうちはどんな環境でも馴染みあるものだが、大人になり世界を大きく見渡せるようになるにつけて自分と他者との境界線が見え始め、格差に悩むようになる。同時に差別も生まれる。

☆4.5。これも良い映画だった。ちなみにしろばんばというのは夏によく飛んでる白い小さな虫のこと。