「街に気球があがる時」(1961年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

井田探監督による日本のドラマ映画。出演は長門裕之、武内悦子、吉行和子。

 



<あらすじ>

大学生の川本保夫は広告代理店でバイトをしながら学校へ通っていた。彼は会社の紅一点丸根敦子と財閥の令嬢で同じ大学に通う泉万里子に好意を持たれた。バイトに明け暮れ授業をサボりがちだった保夫に、万里子はノートを見せてくれたりバイト先を馘首になったときは復職できるよう掛け合ってくれたりした。

しかし身分違いを感じる保夫は、会社の敦子に惹かれた。あるとき広告に使う気球が破裂して子供にけがを負わせる事故が起きた。ふたりは手分けして子供を助け、治療が間に合ったことを喜び合った。気球を空に高く上げ、それを眺めている仕事が保夫には向いていた。

<雑感>

これも面白い映画だったのだが、どちらが吉行和子かわからなくて、そればかり気になってしまった。敦子の方だったのだろうか? 昔は丸顔だったみたいだ。痩せてからのイメージしかないから、泉万里子役かもって画面を凝視してしまった。

吉行和子は日活の女優さんではなく、劇団の女優だったはず。それでごくたまにしか日活に出演していなかったのだが、ハキハキした科白回しがさすがである。やっぱり女優さんは舞台の発声じゃないと。松たか子さんなんかもハキハキしてて科白が小気味よい。ああでなくちゃいかん。

☆5.0。長門裕之も上手い。上手すぎる。美形ではないのに主演を数多くこなせたのは、親の七光りだけじゃない。演技がしっかりしているからだ。