「第十七捕虜収容所」(1953年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ビリー・ワイルダー監督によるアメリカの戦争映画。出演はウィリアム・ホールデン、ドン・テイラー、オットー・プレミンジャー。

 



<あらすじ>

ドイツ軍の第十七捕虜収容所第4キャンプからふたりのアメリカ兵が脱走を企てたもののあえなく銃殺された。捕虜たちは仲間の中にスパイが紛れているのではと疑った。セフトンはドイツ人との間で上手く立ち回り、酒やタバコを融通して比較的自由な立場だったので当然疑われた。

セフトンは疑いを晴らそうと調査を開始して、自警委員のプライスが犯人だと突き止めた。しかし、捕虜収容所の中でそれを明らかにしても、自分への疑いは晴れるが捕虜の立場は危険にさらされる。セフトンはみんなに疑われたままどうしていいのか判断に迷った。

対ドイツ作戦で戦果を挙げたダンバーは、毛並みが良く勇気もあるエリートで、セフトンは彼を嫌っていた。しかし彼がベルリンへ連行されて処刑されそうだとなったとき、仲間たちが彼を脱走させようと計画してその付き添いがプライスだと聞くとセフトンは矢も楯もたまらずダンバーを庇った。

プライスは真珠湾攻撃の日にちを覚えておらず、証拠も出されて窮地に陥った。セフトンは彼を囮にして銃殺にさせると、自分が付き添いになってダンバーを逃がした。

<雑感>

第2次世界大戦中に、それまで世界17位の戦力しか保持していなかったアメリカは突如1位に躍り出る。圧倒的な生産力と物資調達力によって戦勝国となったアメリカの、被害者面しつつ他者を見下す映画である。ドイツ兵の描き方が実に酷い。

☆3.5。腹立つ奴らだ。