「ジャングルブック」(1942年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ゾルタン・コルダ監督による冒険活劇映画。出演はサブー、ジョゼフ・キャレイア、フランク・パグリア、パトリシア・オルーク。

 



<あらすじ>

猟師ラオの赤ん坊は、人食い虎に襲われたときにジャングルの中に迷い込んでしまった。多くの動物たちの助けを得て、無事に成長した彼は逞しい少年になっていた。仇敵の人食い虎シェア・カンに追われて、故郷の村に戻った彼は野人だと恐れられたが、母はそれが自分の子モウグリだと見抜いて引き取った。

母のメッシュアと暮らすうちに人間らしさを身に着けたモウグリは、バルディオの娘マハアラと親しくなり、ジャングルの中にある宝物を隠した場所へ案内した。娘から話を聞いたバルディオは、モウグリに宝の在処への案内を命令したが断られ、秘かに後をつけて奪おうとした。

ところがすぐに仲間割れを起こしてしまって強奪は失敗した。怒ったバルディオは森に火を点け、郷かは村までも焼き尽くそうとした。メッシュアも死にかけたが、そこに増にまたがったモウグリが姿を現して母を救った。人間に絶望したモウグリは、呼び止められるのも聞かず森へ戻っていった。

<雑感>

途中で人食い虎を殺したモウグリが処刑されそうになるシーンがある。人食い虎を殺したことで彼は森の王になったみたいな位置づけかもしれない。そのあと森の動物たちの邪魔もあって宝物の強奪に失敗して森に火を放つ。

古い映画で画像が良くないのだが、冒険心溢れる素晴らしい作品だった。リメイク版は観ているのだが、オリジナルは初めてだった。登場人物はインド人なのに、色が白い。

☆4.0。発想はいいのだが、モウグリの心境の起伏が弱い。母にあって里心がつくものの、悪漢に捕らえられて人間に愛想を尽かし、動物たちの懇願によって森を治める王になる。こんな感じの物語の中心線が欲しかった。モウグリはただ「動物を助ける」という理由で去っていくのだ。