「銀河英雄伝説(旧作)」第96話 感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

第96話 剣に生き・・・



<あらすじ>

ミッターマイヤー軍をノイエラント入り口で食い止め幾重にも防御線を張りながら戦力を削いでいき、ハイネセン近くに引き寄せて挟撃するというロイエンタールの作戦は疾風ウォルフの進撃速度の前に適わなかった。

ミッターマイヤーはすでにフェザーンからハイネセンの半ばまで達していた。ロイエンタールはただちに分散させた兵力を集結させこれを迎え撃った。

進撃速度を優先させたミッターマイヤー軍はビッテンフェルトとワーレン軍が遅れており、数において不利な状況にあった。正面からぶつかり合った彼らはすぐさま戦端を開いた。帝国軍同士の戦いは兄弟や友人同士の殺し合いになると考えるミッターマイヤーは、少しでも犠牲が少なくて済むように短期決戦を選んだのだった。

持久戦になれば有利のミッターマイヤーが先に仕掛けたことで戦線は膠着した。そこへビッテンフェルト率いる黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)が到着してさらに乱戦となっていった。シュワルツ・ランツェンレイターはファーレンハイト艦隊を吸収して間もなく、また吸収されたファーレンハイト艦隊の中には提督が死んだのはビッテンフェルトの猪突猛進が原因だと考える者も多かったためにその艦隊行動は統一性を欠いて被害を増大させてしまった。

さらにワーレン艦隊が到着してようやく戦力は均衡した。ところが先鋒のバイエルラインがロイエンタールの術中に嵌って包囲され集中砲火を浴びせられてしまった。ミッターマイヤーが救援に駆けつけ彼を救い出したが、この失敗で大きく戦力は削がれてしまった。

敵の弱点とみてクナップシュタインを攻めたミッターマイヤーの作戦が功を奏し、クナップシュタイン艦隊は総崩れになって敗走した。しかしミッターマイヤーの速さは尋常ではなく、策を練る間もなく彼の旗艦は大破して彼自身も裏切りの意思を見せる前に戦死した。さらにミッターマイヤーはグリルパルツァー艦隊をも攻撃して突き崩していった。グリルパルツァーもまたその未熟さから裏切る好機を逃したばかりでなく、みすみす戦力を失っていった。

こうしてミッターマイヤーが敵を崩したとき、ロイエンタールもまた味方火力に断層を作ってミッターマイヤーの艦隊を分断させていた。守勢に回ったシュワルツ・ランツェンレイターは弱く、壊滅に危機にさらされた。そのときビッテンフェルトが発した、下がる味方も一緒に撃ち落とすという言葉が全軍に向けて放送されたたために、隊は瓦解を免れ、その場に踏みとどまった。

すると旧ファーレンハイト艦隊貴下のホフマイスターの隊が突貫を試み、正面を突き崩した。この作戦とは無関係の攻撃によってロイエンタールの計算は狂い、いったん下がらざると得なくなった。ここでようやくビッテンフェルトも下がって陣形を立て直す決断をする。

彼が下がったことで一時的に戦力差が生じたのをロイエンタールは見逃さず、戦力を集中させて中央の敵に対して包囲陣形に持ち込もうとした。しかしワーレンは3時間ものあいだ相手を押し返して踏みとどまりそれをさせなかった。仕方なく下がったロイエンタールに対し今度はミッターマイヤーが仕掛けた。

彼は反乱軍の防衛線を突破するために味方の防衛線を細分化して艦艇の間をすり抜けようとした。反乱軍の防衛線の中にいたグリルパルツァーは、ここで裏切るべきか迷ったものの決断力に欠け、ただ守勢でいるうちにロイエンタールの直属艦隊の反撃を間近に見た。ロイエンタールは細かく分かれた敵の戦闘を潰し、さらに敵の防衛線の一角を崩すとそこから回り込んで縦列になった敵の横に突っ込んでいった。この攻撃によってミッターマイヤーの艦隊は大きく後退するより他なかった。

そこにユリアン・ミンツが下した結論が届いた。

帝国軍のエルネスト・メックリンガー上級大将が率いる大艦隊がハイネセン向けて進行中との知らせが入ったのだった。ユリアンは帝国の申し出を受け入れ、イゼルローン回廊の通過を許可したのだった。

メックリンガーにハイネセンを奪われては宇宙に孤立して補給も受けられず敗北するしかないロイエンタールは全軍に撤退を命じたが、大混戦となった戦場からの撤退は至難の業であった。ミッターマイヤーは敵の両翼を崩して優勢であった。しかしロイエンタールは前線を維持しながら1隊1隊と退かせて自らも急速反転して大きな被害も出さずにこの撤退戦を成功させてしまった。

ミッターマイヤーは敵の鮮やかさを称賛することなく、ロイエンタールがハイネセンに帰着する前に捕捉して殲滅するよう指示を出した。

<雑感>

という話。

ミッターマイヤーとロイエンタールというふたりの親友元帥が死力を尽くして戦う辛い部分。

この作品の大物と小物の容赦ない書き分けは笑うしかない。クナップシュタインの死に方とグリルパルツァーの優柔不断はあまり記憶になかったので映像で観て笑うしかなった。小さい奴は本当に小さく描いてある。だからこそ英雄たちが引き立つわけだが、それにしてもグリルパルツァーが小さすぎる。