「銀河英雄伝説(旧作)」第95話 感想 | 深層昭和帯

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第95話 双璧相撃つ!



<あらすじ>

惑星ウルヴァシーでの調査に当たっていたアルフレット・グリルパルツァーが、ロイエンタールに恭順の意を示してきた。

直属の部下ではない彼の意外な行動にロイエンタールはいささか戸惑ったが、氾濫が成就した暁には軍務尚書の地位をくれという申し出を認め、また彼の言うがままに氾濫への参加を拒否したクナップシュタインの説得役も任せることにした。

監禁されていたクナップシュタインの元を訪れたグリルパルツァーは、自分の野心を彼に打ち明け、協力を申し出た。グリルパルツァーは武勲を立てるためにわざとロイエンタールに味方するを装い、裏切って彼を討伐するつもりでいたのだ。そこにラインハルトへの忠誠はなく、野心があるのみであった。

一方で敢然と反乱への加担を拒否する者もあった。ユリウス・エルスハイマーは妻の妹がルッツの妻であり、義弟の死の真相が明らかになる前に協力することは出来ないと申し出た。ロイエンタールはこれを気に入り、反乱行為終結後に彼が不利益を被らないようミッターマイヤーに宛てた文書を記して彼に渡した。

ミッターマイヤー出立後、ラインハルト自身も艦隊を率いて要塞建設予定地まで軍を進めた。彼は自信を助けた武勲の証しとしてミュラーに対し帝国元帥への昇進を約束したがミュラーはこれを受け取らず、代わってロイエンタールの助命を願い出た。しかしラインハルトはこれを認めなかった。戦争はもはや避けられず、ラインハルトはイゼルローン要塞方面へも進軍させた。

そのイゼルローン要塞には、ロイエンタールによって使者にさせられたムライが到着し、味方すれば旧同盟領をそのまま返すとの提案を伝えた。これに対してユリアンは、ロイエンタールがその正統性を主張するのであれば行方不明になったままのゴールデンバウム王朝の皇太子を探し出して即位させるか、自由惑星同盟を復活させるか、ラインハルトを傀儡にして統治するより他ないと考え、いずれも改革を無に帰すバカげた行為であると断じ、政略的にロイエンタールに協力は出来ないとした。

その決定をムライに伝えると彼は満足してユリアンをねぎらった。だがシェーンコップとポプランはムライに同行してハイネセンでひと暴れしたがったがこれは却下された。

続いて帝国軍のメックリンガー上級大将が交渉を申し込んできた。こちらは話を聞くまでもなくユリアンの決心はついていた。

ミッターマイヤーはロイエンタールに通信を繋ぎ、最後の説得を試みた。しかし、ロイエンタールはその自虐からくる露悪趣味と尊大な矜持によって自分は皇帝陛下と戦って充足感を得たいのだと言い放った。ラングの拘束により事態は良い方向に向かいつつあったが、ロイエンタールの中の破滅衝動と肯定への忠臣は歪んだ夢となって彼を支配していた。

<雑感>

という話。

ロイエンタールは反乱を起こすように追い詰められていったのだが、彼の性格がそれを加速させ後戻りできなくしてしまったところが良く描けている。本当に面白い作品だ。ロイエンタールの過去の逸話は何度も紹介されているが、父と母に見捨てられ、たったひとりで身を立ててきた彼にとってプライドを守ることは生死より大事なものであり、そのプライドを捧げたラインハルトへの忠誠は他の元帥と比較しても抜きん出ていて、それは自分の反乱をラインハルトの病気がちな体調を回復させるのではないかとまで考えているくらいなのだ。

もうね、ナレーションの名調子と壮大なBGMを聴いてるだけで幸せだわ。