「銀河英雄伝説(旧作)」第94話 感想 | 深層昭和帯

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第94話 叛逆は英雄の特権



<あらすじ>

ミッターマイヤーの艦隊に保護されたラインハルトは、彼とふたりきりになってロイエンタール討伐の命を与えた。

これに対してミッターマイヤーはロイエンタール帰参のためにいくつかの提案を具申したが、1か月も何の申し開きもないまま無為に時間を過ごしたロイエンタールを皇帝は許さなかった。ミッターマイヤーは勅命を甘受するより他なかった。

遅れてロイエンタールより書状が帝国政府宛てに届いた。その文面はオーベルシュタインとラングが国政を壟断していると告発するものであった。これはラインハルトに激しい怒りを起こさせた。彼にとってその書状は自分が無能であると断罪されたも同然であったからだ。

ミッターマイヤーはビッテンフェルトとワーレンを従え出征準備に取り掛かった。彼は皇帝の手を反逆者の血で汚さないために、感情を抑え戦う決意を固めた。だがその前に、彼はどうしてもラングのことが赦せなかった。

ロイエンタールの書状はオーベルシュタインも読んでいた。彼はこの反逆を自分の責任と捉えていて、ノイエラントに勅使として出立するよう命があれば素直に従うつもりでいた。もしそうなればただでは済まないと分かっていながらオーベルシュタインは自分の不徳が招いた結果としてすべてを甘受するつもりだった。ところがロイエンタールが自分とともに成敗したいであろうラングにも同行するよう促したところ酷く狼狽し、彼は逃げてしまった。

ラングが階段に差し掛かったとき、ちょうどミッターマイヤーがやってきて彼を成敗する旨を伝えた。するとラングは酷く怯え震える有様だったが、銃口が火を放つ前に帝国軍憲兵総監ウルリッヒ・ケスラーがそれを見咎めた。ケスラーはミッターマイヤーの行為を私怨だと断じ、思いとどまるよう説得した。ミッターマイヤーも法の裁きなき私刑はローエングラム王朝の名を穢すと言われては引き下がるより他なかった。

ラインハルトは迎賓館にてヒルダと久々に面会した。そこで彼はラングの罪を聞かされることになる。それは、先のフェザーン代理総督ニコラス・ボルテックが工部尚書シルヴァーベルヒ爆殺に関し共犯として逮捕され獄中で変死した事件がラングが仕組んだ冤罪である旨を報告したものであった。それを調査したのはウルリッヒ・ケスラーだが、調査を指示したのは亡くなったルッツ元帥が生前ラング次官の跳梁ぶりを訝しみ依頼したものであった。

ラインハルトは子ネズミと侮りその跳梁を知りながら見過ごしてきたことが他の忠臣の勘気を買って今回の問題に繋がったことを深く後悔し、直ちにラングを逮捕させた。

<雑感>

という話。

ラングの罪が明らかになることが遅れ、ついにミッターマイヤーとロイエンタールの直接対決となる。

第94話でラングとオーベルシュタインの忠誠がいかに違うか明らかになる。オーベルシュタインはあくまでラインハルトの忠臣であり、彼の覇道を妨げるものはどんな手を使ってでも排除する人間だが、ラングは自分のことしか考えていない。

そしていまだルビンスキーのことは表ざたになっていない。ルビンスキーとヨブ・トリューニヒトは悪役ではあるが有能な人間として描かれているところがこの物語の深いところだ。