「われらが背きし者」(2016年作品)感想 | 深層昭和帯

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スザンナ・ホワイト監督によるスパイアクション映画。原作はジョン・ル・カレ。主演はユアン・マクレガー。

 

 

<あらすじ>

どこかの大学教授ペリーがレストランでロシアンマフィアのマネーロンダリングをやっている男ディマと知り合い、ディマの家族の命が掛かっているからUSBをMI6に渡してくれと頼まれる。教授は何となく引き受けてしまい、MI6にそれを持ち込んだ。

ところがその情報が怪しいものらしかったらしく、教授はどんどん事件に巻き込まれていき、世界中を逃げ回る羽目に陥った。

ペリーはディマが抱えた問題にどんどん巻き込まれていくが、結局彼は誰も救えなかった。

 

<雑感>

どうまとめていいのか困るのだが、要はディマが知った情報というのはマネーロンダリングされた金がロンドンのシティに投資されていて、それを呼び込んでいるのはイギリスの政治家だという情報だったのだ。これは経済的な侵略行為なのでロシアは推し進めたいし、ディマやMI6は阻止したい。

ところがイギリス政府はこの情報が出てもらっては一大スキャンダルになるので困る。イギリスのために働こうとするとイギリス政府が困るという構図の中で、黒い金による侵略は止めることができず、真相を知る人間は次々に殺されていく。

ペリーはこんな問題に巻き込まれたのだが、彼は単にたまたま知り合っただけのディマを助けたい一心でとんでもない事件に深入りしてしまうお人好しなのだ。

確かにロシアや中国のブラックマネーはイギリス、アメリカ、オーストラリアなどを侵食しつつある。これは現実に起こっていることで、特にマスコミには多くの金が流れているのだ。日本の新聞社など中国の金なしには経営が成り立たないから中国の言いなりの記事しか書かない。

マスコミが協力者なので、こうした事実は「陰謀論」とレッテルを張られるけども、事実は変えられないんだね。

☆3.6。映画としてはなかなか面白いし、主人公のペリーの人物造形も素晴らしいのだが、ユアン・マクレガーだからなんかもうちょっと大活躍するシーンが欲しい気もする。ジェダイやぞ。