楽園
呪いの海へと航海に出た
ヴァイキング気取りの処女たち
待っていたのは
喜怒哀楽に包まれた
欲望
と
ドハデな色彩
の
誘惑
天国に居るとでも勘違いしたのか
女たちは全裸となって
深い深い海へと
その身を沈めていった
手作りの船は
いつしか酒に飲まれ
いやしいネズミたちが
その匂いに誘われて集まり
甲板を喰いあさる
快楽を求め
欲望の吐息の中で
夜が微笑み
誇らしげに見つめている
シーツはいつの間にか
腹を空かせ
体に巻きついてくる
壊れやすい人形
の
訴えとはよそに
暗闇が訪れた時
果たして流れた涙は砕けてゆくのだろうか
それとも苦悩にその身を焦がして
つじつまの合わぬ側面を歩みつづけるだけなのだろうか
渇いた空間の中で
別の夜
別の扉へと
偶像を求め
人は理知的恐怖を
つぶやきつづける
満足感に包まれた夜は消え
もうすぐ君のキライな朝がやってくる
(DO THE)CAPRICORN DREAM
膨れ上がった美しさと
ねじれた罪の意識
病んだ王国では
あれもこれも奇妙なことばかりだ
見知らぬVision
右へ左へと手を差し伸ばし
ますます気分が悪くなってゆく
英知と愚かさ
その詩魔をむさぼり喰うモノたち
機械的な呪文はバイオリズムの内に溶け込み
それぞれのテリトリーへと押し流されてゆく
PLATONIC SUICIDE その3
消えちまいたい
「消えちまいたい」と題された、こちらも未完の一品。
この作品も、シングルエイト(8ミリ)と、ビデオカメラによる撮影スタイルで挑む。
強制参加の知人含め、総勢10名ほどに膨らんだ関係者が、気まぐれに付き合わされ、
延べ1年間ほど、撮影という名の集まりが続く。
内向的なゲイの子を主人公にした物語らしいが、
全体像は残念ながら誰にもわからない。
当時の関係者曰く、ラブホテルに男3人で突入しようとしたら、
ホテル側から男同士はダメだと言われた、しかし、撮影で使い、けして汚したりはしないことを約束して、
無理くりホテルに潜り込むことに成功したという。
だが、監督と呼ばれる男しか、何をやるのか知らなかった為、
部屋に入った途端に、いきなり「裸になってベットで絡んで!!」と、
一人だけテンションの高い男の無茶な演技指導?で、素人の男たちは意気消沈してしまう。
やけくそになった上半身裸の男たちの演技は、
作品として編集されることなく、その後の、ちば映画祭
の為の、
手作りポスターの一部でフィルムが利用され、日の目をみる事となる。
次からは、いまだ、謎な“ちば映画祭
”なるモノを
解明してゆきたいと思います。