その日(6/29~30)密かに本命として狙っていたのは、充満するガスやダスト(塵)の中で新しい星が次々と生まれる巨大な領域(RCW 113/Gum 55)、エビ星雲(Prawn Nebula)IC4628とダークタワーと呼ばれる彗星状グロビュール※(GN 16.43.7.01)近辺です。
※彗星状グロビュールはボーク・グロビュールと呼ばれる暗黒星雲の一種。高密度のガスや塵(ちり)が、熱い高エネルギー物質に囲まれてできた星雲で、彗星のような尾が見えることから彗星状グロビュールと呼ばれています。
南天の低い天体(赤緯は-40°、南中高度は15°)で、昨冬チャレンジしたガム星雲(ほ座VNR)に比べるとマシですが、一日では低空まで快晴でも3時間くらいしかチャンスがなく、どうしても並列で露出時間を倍増したいところです。この日は順調に撮影開始したのですが、大塔には真南に小山があり南中前後でそこに引っかかってしまいハイ終了「オーマイガー!」一番おいしい時間帯にまさかの撤退を強いられました。まともに撮影できたのはわずか11枚×2で、元々5~6時間の予定が110分の露光にとどまり...割と低空まで天気が良かったのに残念です。(実はこの失敗、2回目です)大塔ではどの場所に設置しても無理なことがわかったので他の撮影地で再挑戦したいと思います。
【エビ星雲(IC4628)とダークタワー(さそり座)】
下部の美しい星団はNGC 6231で、その美しさから”Northern Jewel Box Cluster" もしくはその形から"False Comet"と呼ばれています。
【ダークタワー(拡大)】
【ファインディングチャート】
Date: 2025/6/29 21:01~ 300sx22FR(Total Exp 1h50m)
Telescope:
(1)Takahashi FSQ-106ED (F3RD) 320mm f3
(2)Takahashi FSQ-85ED (QERD) 327mm f3.8
Camera:ZWO ASI2600MC X2
Mount: ZWO AM5
Filter: none(11FR), HO Dual-band(6nm) HYO(11FR)
Edit: PIXINSIGHT
Shot in: Ohto, Gojo-shi, Nara, Japan