今月は仕事が忙しい上に長い間悪天候でやっと晴れた新月でしたが、不覚にも風邪をひいてしまい遠征は叶わず、短時間の自宅撮りと相成りました。それでも久しぶりの撮影でやはり楽しいです。今回のテーマは、遅まきながら2回目の都会での銀河撮影(IRフィルター使用※)です。古い機種ですがASI1600MMを安価に譲ってもらったので、そのファーストライトも兼ねています。近赤外による都会での銀河撮影は色々な方が取り組んでおられますが、前回あまりうまく撮れず(郊外でのノーフィルターとの出来の差が大きすぎ)今回あまり写りが良くなければ都会での銀河撮影はあきらめるつもりです。
前回の近赤外初トライ https://ameblo.jp/astrokohei/entry-12834032245.html
【大都会で撮影したNGC2903(渦巻銀河)しし座】
NGC2903は、しし座に位置する棒渦巻銀河です。ししの鼻先にあるかなり明るく大きい銀河で、特徴の一つが南北方向に伸びた2本の腕です。若い星が爆発的な速度で活発に生まれ続けています。それを反映するように、星の原材料となる分子雲が複雑な暗黒星雲として見えており、また、腕には星が生まれている現場であるHα領域が複数見られます。
同等の機材・条件で他の方の(都会での)作品と比べるといまいちなような気もしますが、一度郊外でも撮ってみて比較したいと思います。やはりS/Nが低く、慣れないPIXINSIGHTでは周辺の淡い部分の炙り出しが難しいです。カラーリングはLRGBフィルターを持っていないので別途検討。
(追記)コマコレクター(MEYON)によるゴーストの発生はありませんでした。
【データ】
鏡筒: タカハシMT-160 MEYONコレクター(1000mm f6.3)
カメラ: ZWO ASI 1600MM Cool Gain 138(Unity)
赤道儀: EM-200改(ASIAIRによるオートガイド)
フィルター: IR640PROII(サイトロン)
画像処理:PI、ASI Studio
日時: 3/10 00:08~ 180sx23FR (69分)
撮影地: 吹田市