① 川柳にみる「江戸のたべもの」柳橋
田楽か鰻かと聞く柳橋
「江戸前」魚と併せて鰻がある。深川が産地である。低湿地と隅田川や運河が運ぶ栄養ある水でうまい鰻が育つ。元は深川より神田川の鰻がよいとされていたが、埋め立てなどで鰻が深川に“引っ越した”らしい。
上の川柳は、柳橋で猪牙船(ちょくぶね)を頼んだら船頭から「田楽ですか鰻ですか」と聞かれる。鰻なら川を下って柳橋、田楽なら上って真崎(付近の稲荷の茶屋)を詠ったもの。
江戸前の息子銚子で年をとり
放蕩息子を勘当に銚子あたりの知人に預け、寂しい正月を迎えるハメになったとさ。そんな川柳です。
(次は「初鰹」)
江戸名所図会Iの「魚市」絵参照