禅の言葉「規矩不可行尽」 | 明日通信

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 「禅の言葉」(石飛博光と鴻風会◎書)永井政之◎監修

 

規矩不可行尽(きくおこないつくすべからず)

 ――規則やマニュアルでしばるのもほどほどに――

 

 「法演の四戒」の第三戒。「規矩」とは手本や規律の意味。法演の解説にいわく「規矩行い尽くさば、人必ずこれを繁とす」。「繁」とはうるさい、わずらわしいの意味。(「大慧武庫」)

 何から何までお手本どおりにやることを強制したり、規則やマニュアルでがんじがらめにしてしまっては、人にうるさがられて逆効果だということ。

 会社でも学校でも規則ずくめでは息苦しく、人が伸び伸び育ちません。また、手本やマニュアルでこと細かく指示されると、自分で考え自分で判断しようとする姿勢がなくなってしまいます。「規矩行い尽くすべからず」とは、とくに組織のリーダー的存在となる人に覚えてほしいことばです。

 ちなみに「法演の四戒」の第二戒は「福受け尽くすべからず」。法演いわく「福受け尽くさば、縁必ず孤なり」。いい気になって富や幸運を独り占めにしていては、周囲との関係を悪くし、必ず孤立してしまうということです。(後略)