口を尖らせしゃべるトランプさんという人 | 明日通信

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 トランプさんがアメリカの次期大統領選の共和党候補としてしゃべっている時からズッーと胸に引っかかるものがあった。何なのか、繰り返し聞いているうちに、過激な発言だけでなく、独特の口を小さくすぼめ、尖らせ、腕の先から指を突き出しながらしゃべる、あの格好にあるのに気がついた。

昨日の大統領就任式。直後の演説も口を尖らせ、アメリカの利益最優先、アメリカ第一主義をまくし立てた。かつて心理学の専門家に口を尖らせしゃべる人間の、決して褒められない人間性を教わったことがあったが、それを思い出したわけだ。指摘は多くのところで当たっていた。その歓迎できない人間性をもった人がアメリカの大統領になった。大統領になったということは、強大な権力を手にしたということ。その権力で、まわりに耳を貸さず、まわりはみんな間違い、自分の考え、自分の選択のみが正しいと主張を繰り返しながら「アメリカ第一」、「アメリカの利益最優先」のオノを振り回されたら、世界は一体どんなになっていくのかなと、不安でならない。

大体、周りのこと、人のことなど眼中にないということだろう。普通は、常識ある人間なら、就任にあたって、自らあいさつや思いを述べる前に、前任者にたいする労いの言葉をかけるのが常識だろう。就任式には歴代の大統領や、大統領選を争った相手も祝福に出てきている。そんなの無視、まさに常識の通じない人ということだろうか。それにしてもだよネ。

「一緒に、アメリカを強くする。アメリカをまた豊かにする。アメリカをまた誇り高くする。アメリカをまた安全にする。一緒に、われわれはアメリカをまた偉大にする」

トランプさんの就任演説の締めくくりの言葉である。熱血的なアメリカの人たちの心を揺さぶり、奮い立たせるための文言を並べ立てていたが、計算通りにみんなが揃って手を突き上げ応じてくれるだろうか。トランプさんが力めば力むほどアメリカ国内でも、世界でも疑心暗鬼が広がり、対立や争いが顕在化してくるような気がしてならない。

そんな中でこれから四年間、その椅子に座っておられるのかどうか…。