籾井さん、花咲く場所が間違ってた | 明日通信

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 NHKの会長である籾井勝人さんが124日退任を前に、昨日19日、最後の記者会見をし思いを語った。「決断と実行を実践、まっすぐな生き方を貫けしあわせだった」とか。しかしどこまで本音なのか、発言が物議をかもし、結果的に一期のみの任期満了で退任(させられること)になった。「こころならず」なのは確かだろう。

どういう経緯でNHKの会長に選ばれたか知らないが(とりあえず存知しないことにしておく)、ビジネスの世界では間違いなく豊富な実績を誇り、卓越した能力の人だったのだろう。同い年の僕など足元にも及ばない人だったに違いない。が、マスコミ、報道の世界にはやはり不向きだったように思う。就任会見で「政府が右と言うことを左と言うわけにいかない」とい発言、考え方、姿勢がすべてだった。

多分、民間のテレビやラジオ、新聞・雑誌は公平、中立とはいえ微妙に立ち位置が異なる。HNKも公共放送とはいえ国(政府)に後ろ支えされているのだから、少しくらい政府の意を体した動き方をしたっておかしくない、と考えたのでは。それに、アメリカ暮らしをしてきた人だから、アメリカの新聞や放送媒体は利益団体をバックにしているから主張がはっきりしているのを見てきているため、日本でもと考えてもおかしくない。

しかしNHKは運営費の多くをわれわれの視聴料金で賄われている。その、われわれ視聴者の見方、考え方は右も左もと多様で一方に与するわけにいかず、結果として可能な限り公平、公正、中立を旨として報道したり番組を制作、編成、運営に努力しなければならない。時の政府や政治、行政等の都合に寄り添うような伝え方、情報発信は許されないといってもまちがいではないだろう。

籾井さんはこのあたりを誤解、いや、優れた能力の人だから重々承知していただろうから、軽く考えたのかも。在任中、口を開けば何かが飛んでくる。もどかしかったに違いないが、やはり籾井さんの能力の花を咲かせる場所が間違ってたことを知ってもらわなければならないと思う。