ちょっとレアなケースだったので記録しておきます。

もう、山形のアシナガバチは子育ても終盤となり、近づいた人を襲う季節もほぼ終わりです。今年のレスキューも終わりだなと思っていたら、妻から、友人から届いたという1枚の写真が転送されてきました。

 


 

なんと、BSアンテナの付け根の閉所に。しかも隙間よりも巣が大きいのです。蜂はコアシナガバチに見えました。コアシナガは神経質ですぐに散り散りに逃げ出してしまうのです。

「これは無理。もう刺さない季節だから大丈夫と、断って」と伝えると、友人は極度な蜂恐怖症だからなんとかして!と。たしかに蜂恐怖症の方にとって蜂は計り知れない脅威。どんなに説明しても説得はできないのです。

今年最後に最大の難題を突きつけられました。今年初の吸蜂掃除機の出番となりそうです。さっそく、現場を見に行ってみました。

 

 


すると、コアシナガバチではなく、フタモンアシナガバチでした。少し希望が見えてきました。フタモンは巣への執着心が強く、夜はどんなに揺らしても巣にしがみついていてくれるのです。


ボルトを外せば、パラボラごと確保できそうです。ネットでパラボラアンテナのしくみも確認しました。そして、いつもの30Lではなく45Lのビニール袋を持参してやってみました。



さっそく赤いセロハンを貼った赤外線ライトで照らして、静かにケーブルをはずし、ボルトをゆるめてみました。すると多少は騒ぎましたが、やはり巣を飛び出す蜂はいません。ぶじアンテナごと確保できました。ほっとしました。

 



さて、問題はこの隙間の巣をどうやって取り出すか。

 



そこで、ピンセットを袋の中に入れて、外からピンセットをつかみ、そっと巣の下に挿し入れてみました。なんとなく巣柄(軸)を感じたので思い切って持ち上げると、ぶじ巣柄を壊すことなく取り出すことができました。

さすがに蜂は、散り散りになり、金具の隙間にもたくさんの蜂が残ってしまいました。試しにピンセットで巣をつまみ、その蜂たちに近づけてみました。すると磁石のように巣にくっ付いて簡単に全ての蜂を巣に戻せました。

 

おかげでぶじアンテナを取り出せました。




ここからは、いつもと同じです。せっかく巣に戻ってくれた蜂ですが、今度は袋越しに巣から分離させます。フタモンは巣への執着心が強いだけに、この作業はいつも難儀させられます。でも蜂数は少ないので輪ゴムを使うほどではありませんでした。

 




巣を取り出して確認すると、なんとまだ幼虫も卵もありました。個体により子育てに差がありますが、これはかなり遅いです。おかげで執着心も強かったようです。

 

 



巣にも簡単に戻ってくれて、そっとビニールを外してもしっかり子供たちの確認作業に夢中で飛び出すことはありません。工房の窓辺において、子育て終盤の様子を観察することにしました。

帰宅すると、大好物の刺身が待っていました(笑)
 

 

7〜8月の引っ越しのさせ方↓