日本の後発酵茶、阿波晩茶の取材に行ってきた ① | 発酵食品アドバイザー・アジアの発酵食品研究家 大西孝典のブログ

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遅ればせながら徳島県まで発酵茶、阿波晩茶の取材に行ってきた。

 

本来であれば茶摘み~漬け込みのシーズンである7~8月に行きたかったのだが、今年はコロナの騒動と沖縄での感染者数が増えたことなどが関係して、一番良いシーズンに訪問することができなかった。

阿波晩茶は同じ発酵茶である、タイのミヤンの様に4月から11月までのシーズン中に何度か茶を摘み、漬け込んでゆくという作り方ではなく、一回の茶摘みで茶の葉をすべて摘み、摘んだ茶をそのまま漬け込んで、その年の分を作ってしまうため、一回勝負なのである。

 

今回は茶葉を摘んで、漬け込まれる作業は目にすることはできなかったが、乾燥させて茶になったタイミングで、何とか滑り込みで伺う事が出来た。

乾燥工程を経て2日前に出来上がったばかりの阿波晩茶

早速、淹れて頂きました。飲みやすく、マイルドな

酸味がとても美味しい。

 

僕が伺ったのは、ゴミ、廃棄物などのリサイクル、ゼロ・ウェイスト運動で有名な町、勝浦郡上勝町で、ここで作られる阿波晩茶とは、以前にもこのブログで紹介した、北タイの発酵茶ミヤンと同じ、茶葉を乳酸発酵させた後発酵茶の事である。

両者の大きな違いとしてはタイのミヤンやミャンマーのラペソーは、発酵後、茶葉を乾燥させずに漬物の様に食用とするが、阿波晩茶は発酵の終わった茶葉をさらに天日で乾燥させ、茶として飲用とするところである。この阿波晩茶は徳島県の中でも勝浦郡上勝町と那賀郡那賀町(旧・相生町)で生産されており、今回、上勝町で阿波晩茶の製造を行っている、百野さんにお話を聞いてみた。

 

阿波晩茶を熱く語る生産農家の百野大地さん

 

 

次号につづく。