US GP-決勝 | 亜洲虎のブログ

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1997年前に心筋梗塞を患い、2006年までEDだった私。

2007年にある漢方に出会い、37歳差の彼女をゲット。

現地24日(日)、アメリカ・テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズを舞台にシーズン第17戦US GP決勝レースが開催され、ライバルの激しい追い上げを振り切ったレッドブルのフェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを飾った。

 

 

土曜日に実施された予選はフェルスタッペンが本人も驚くほどに完璧なラップをまとめあげ、1分32秒910を刻んでポールポジションを獲得。2番手にはチャンピオンシップを争うライバルのハミルトン(メルセデス)が続いたが、3番手にはもう1台のレッドブルを駆るペレスが控えている。ハミルトンのチームメイトであるボッタスは予選で4番手タイムを残したものの、エンジンコンポーネントの交換に伴うペナルティで5グリッド降格処分を受けており、決勝レースは9番グリッドに並んだ。

 

他に、アストンマーティンのベッテル、アルピーヌのアロンソ、ウィリアムズのラッセルが規定数を超える複数のエンジンコンポーネントを交換したことでエンジンペナルティを科せられ、後方からのスタートを強いられている。

 

全長5.513kmを誇るサーキット・オブ・ジ・アメリカズのレースは56周で争われ、予選終盤には降雨のあったオースティンだが、日曜日は晴れ間が広がり、気温27.8℃、路面温度36.9℃、湿度60.4%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。トップ10スタートのドライバーは大半が予選Q2をミディアムタイヤで突破しており、5番手のサインツ(フェラーリ)と10番手の角田(アルファタウリ)がソフトタイヤで決戦に挑んだ。タイヤ選択が自由な11番手以下はユーズドと新品の違いこそあれ、全車がミディアムタイヤを選んでいる。

 

フェルスタッペンとハミルトンの直接対決に注目が集まったスタートはフェルスタッペンがハミルトンをカバーしようと攻めていったものの、ターン1はわずかにハミルトンが先行、アウト側のフェルスタッペンはコースを外れてしまい、そのスキにペレスがサイド・バイ・サイドに持ち込むも、フェルスタッペンはなんとか耐えて2番手でコース復帰した。

 

オープニングラップではフェラーリとマクラーレンの4台が激しくポジションを争う攻防戦も繰り広げられ、一度は前をキープしたフェラーリ勢だが、2周目に入るところでマクラーレンのリカルドが元チームメイトのサインツをオーバーテイクし、5番手に上がる。その真後ろではアルファタウリ勢が気を吐き、スタートで蹴り出しよく発進した角田がターン1でボッタスと相棒のガスリーをかわして8番手に上がり、2周目のターン1ではボッタスのプレッシャーをうけたものの、ポジションをキープしている。ガスリーは一度、ボッタスにポジションを奪われるも、思うようにペースを上げられない様子のボッタスをオーバーテイクして9番手につけた。

 

スタート直後には後方集団に若干の混乱が見られ、ウィリアムズのラティフィが前にいたストロール(アストンマーティン)に接触、その衝撃でスピンを喫したストロールに前を塞がれる格好となったが、2台とも体勢を立て直して隊列に復帰している。その少し前ではアルピーヌのオコンがアルファロメオ・レーシングの1台に突っかかるシーンがあり、ダメージは大きくなかったものの、オコンは緊急ピットインしてパーツとタイヤを交換した。

 

ラップリーダーに躍り出たハミルトンはフェルスタッペンをうまく抑え込んでいたとはいえ、コンマ数秒差の位置につけるフェルスタッペンはDRS圏内を維持して追い抜きのチャンスを狙う。

 

ハミルトンが8周目に入るまでに、オコン以外ではラティフィとハースF1のマゼピンがすでに1回目のピットストップを終えたほか、新品のミディアムタイヤでスタートしたアロンソが7周を走っただけでハードタイヤに切り替える戦略を採用している。アロンソはベッテルのコンマ数秒後方を走っていたが、コース上での追い抜きを狙うよりもアンダーカットでポジションアップを目指すことにしたようだ。

 

ソフトタイヤで第1スティントに臨んだ角田は9周目の終わりにピットインしてハードタイヤに履き替えた。同じタイミングでラッセルが最初のタイヤ交換を完了している。角田のピットストップで前が開いたガスリーがチャージをかけてプッシュするも、次のラップでタイヤを履き替えてピットアウトしてなお、先行していたのは角田だ。レッドブルもフェルスタッペンをピットに呼び入れ、ハードタイヤを履かせてコースに送り出している。

 

ルクレールから2秒ほど離れた4番手でコース復帰したフェルスタッペンはすぐにスピードに乗り、12周目の終わりにペレスがピットインしたのに続いてルクレールもタイヤ交換に向かったため、前がオープンになったフェルスタッペンはハミルトンまで16秒差の2番手に上がった。レッドブルはフェルスタッペンと違い、ペレスにはユーズドのミディアムタイヤを履かせている。

 

メルセデスとハミルトンがピットストップを決断したのはライバルから3周遅れたタイミングだ。2.8秒のピット作業でハミルトンを送り出したメルセデスだが、ファステストラップを連発して猛チャージをかけていたフェルスタッペンはハミルトンがピットレーンを抜ける前に通過しており、この時点ですでに6.4秒のリードを築いていた。

 

一方、姉妹チームのアルファタウリがトラブルに見舞われる。角田の真後ろにつけていたガスリーが突如ペースダウンを強いられ、無線ではサスペンションに問題が発生したようだと報告。スロー走行ながら自力でピットに帰還したガスリーだが、レースを続けられる状態ではなく、無念のリタイアを喫している。原因ははっきりしていないとはいえ、サーキット・オブ・ジ・アメリカズの路面はバンピーなことで知られ、その分、マシンにかかる負荷も大きい。

 

15周目の終わりにタイヤをハードに履き替えて第2スティントを開始したボッタスは角田に対するプレッシャーを強め、20周目にストレートでリアをとらえたあと、インサイドから角田をオーバーテイクして8番手に浮上した。

 

角田から5秒ほど後方ではアルファロメオ・レーシングの2台とアロンソが激しくポジションを争い、ライコネンとアロンソがサイド・バイ・サイドでターン1に進入した際にはわずかに接触するインシデントが発生するも、コースをはみ出す格好となったライコネンが10番手のポジションを手に入れている。この一件はレーススチュワードの審議対象となったものの、通常のレーシングインシデントと判断され、おとがめなしの裁定が下った。ライコネンに先行されたアロンソは後ろからもう1台のアルファロメオ・レーシングに詰め寄られ、ジョビナッツィが幾度となく2度のチャンピオンに輝いたアロンソに仕掛けていったが、巧みな防御でポジションを守っている。アロンソの攻略に手こずったジョビナッツィは2回目のタイヤ交換に向かい、15番手の位置で隊列に復帰した。

 

レースがちょうど折り返し地点を迎えたタイミングで、コース上のデブリを撤去するためにバーチャルセーフティカーが発令されるも、短時間で解除され、ポジションを争うドライバーたちへの影響はほとんどなかったはずだ。

 

フェルスタッペンが2度目のピットストップに呼ばれたのは30周目に入る頃。フェルスタッペンの直前には周回遅れとなったアロンソもタイヤ交換を済ませ、後ろからはサインツがピットインして3セット目のタイヤを装着した。3人とも新しいハードタイヤで第3スティントを開始している。レッドブルは次の周回でペレスのピットストップも完了し、マクラーレンはリカルドとノリスのダブルストップを敢行した。ペレスはミディアムからハードに交換し、マクラーレン勢はともにハードから新しいハードのセットに履き替えている。

 

33周目には入賞圏内につけていたルクレールと角田もピットインしているが、メルセデスの2台はステイアウトを続け、2周遅れて先にボッタスが新しいハードタイヤに交換した。ボッタスはノリスの前に出て7番手でコースに復帰し、4.8秒先行するサインツの背中を追いかけた。

 

フレッシュタイヤを履くフェルスタッペンはハミルトンよりも1秒近く速いラップタイムを刻んでおり、16秒ほどあったギャップは37周目に11秒強まで縮んでいたが、ハミルトンのピットストップによってポジションが入れ替わり、フェルスタッペンがラップリーダーに返り咲くとともに、ハミルトンに対するリードを9秒近く手に入れている。タイヤを履き替えたハミルトンはペースを取り戻すも、ラップタイムがフェルスタッペンと似通っており、ギャップを大きく縮めるには至らず。

 

ただ、フェルスタッペンは接近戦を続けていた角田とライコネンのバトルに追いついてしまい、ライコネンをかわすまでに数周、角田に対しても数周を要した結果、その間に自己ベストを連発したハミルトンが5秒以下にまで差を詰めていた。ハミルトンは早々とライコネンを抜き去ると、角田のトウを生かして周回遅れとし、残り10周を切ってフェルスタッペンとのギャップは3秒もなかった。

 

優勝争い以外では5番手につけるリカルドからサインツ、ボッタスの三つ巴のバトルが繰り広げられ、3人の3秒後ろに控えていたノリスも周回遅れのマシンに対応するタイミングで接近して集団に加わりかけたが、ボッタスがギアを上げてサインツへの攻撃を強めたため、ノリスは3秒以上離れた場所でチェッカーを目指すことになった。

 

一方、13番手を走っていたアロンソがリアウイングにトラブルが発生したとのことで51周目にピットインし、リアからガレージにマシンを収めて戦線離脱。アルピーヌは2台そろってリタイアという残念な結果に終わってしまった。

 

また、ポイント圏内の10番手を走っていたライコネンがマシンのコントロールを失って単独スピンを喫し、その間に、ジョビナッツィをかわして11番手に浮上していたベッテルにポジションを奪われる。ライコネンはグラベルにはまりながらもジョビナッツィの後ろでコースに戻っている。コース上には突風が吹いている場所があり、ライコネンもその餌食になってしまったのかもしれない。

 

フェルスタッペンとハミルトンの激しいバトルはファイナルラップでピークを迎え、セクター1をファステストで駆け抜けたフェルスタッペンはハミルトンにDRSを使わせぬよう最後の力を振り絞って猛プッシュし、1.333秒のリードでトップチェッカーを受けた。ハミルトンが2位でゴール、40秒遅れてペレスが3位フィニッシュを果たしている。

 

ルクレールが4位に入り、リカルドに次いでフェラーリを料理したボッタスが6位、サインツとノリスに続いて角田が9位で入賞を遂げ、ベッテルが最後の1ポイントをもぎ取った。11位以下、完走はジョビナッツィ、ストロール、ライコネン、ラッセル、ラティフィ、シューマッハ(ハースF1)、マゼピンだ。

 

ホンダPU勢、残念ながらガスリーがリタイヤしてしまいましたが、フェルスタッペンが優勝、ペレスが3位とダブル表彰台、角田が9位入賞と良い結果でした。

次の第18戦メキシコGPでは、全車入賞、フェルスタッペンの連続優勝を期待したいですね!