ベランダの外側に組まれた足場。
そこに打ち付ける夜の雨の音。
それを強く揺らした午前の風。
正午前後に見事に晴れた事にも
気づいたけれど、そのどれもが
カーテンの向こう側にある休日。
今、極限まで細くなろうとする月も
その変化をおぼろげにしか
見せようとしないのが春で、
寒暖差の激しい毎日の中でも
おしなべて見れば
段々と上がっていくに過ぎない気温、
それも春かな。
大きな変化は
その只中にある者には見せない。
さて、写真は
12月13日(金)の朝ごはん。
「白菜の煮浸し」と、
揚げ物をした時のタルタルソースが
あるので人参フライを揚げました。
(雑穀ご飯には刻み梅干しを混ぜて。
白菜と薩摩揚げの精進出汁で煮浸し。
人参は夜のうちに蒸し揚げて。)
「私の定番」のタルタルソース。
ゆで卵1個、木綿豆腐1丁、
玉ねぎが基本で
(だから2人分としては大量。)
あとは
マヨネーズ か オイルと酢か、
ピクルスやぬか漬けを入れるか、
スパイスを入れるか・・・など
その時々で楽しみます。
(2人とも好き過ぎて揚げ物の日は
これだけを直接ご飯にのせて
食べたりもします。)
この日はドライにしてある
紫蘇の葉を使った分で
人参みたいなシンプルな物にも
合わせてみたい強くてどこか
懐かしい香りになりました。
(夜のフライは牡蠣?海老?)
人参に合う事を優先して作るなら
冬に旬を迎える食材だとか、
人参と同じセリ科のハーブだとか、
今の私なら他の選択肢もあるけど
「干した葉」のひなびた香りは
人参と相性がいいように感じたので。
雨水
この日から2ヶ月余りが経った今日は
1日を台所で過ごしました。
人参には火を通さないで
ドライのハーブには少しも惹かれない
1日が過ぎて行きました。
「小さな変化」のある毎日の中では、
何年も経って気づいた時には
「定番」だったはずの物や事も
「大きな変化」を遂げていて
「定番」ではなくなっています。
夏の香りをそこに残すように
懐かしく温かい気持ちを感じたのは
冬のあの日のあの瞬間だけ。
1年の中でもそういう変化が
あるのは面白いなあと思います。
20代の私より
40代の私の方が
そういう事をよくわかっている。
止めようとしても止まらぬ
季節の移り変わりに動じないのでも、
工事のために閉ざしたカーテンの
向こうで進む春を心のどこかで
楽しむにとどめているのでも、
無くて、
懸命に自分の仕事をしていたら
カーテンの向こうを見る余裕が
なかっただけ。
春への期待は人一倍。
今になって振り返ってこうして
初めて気づくようなのがいいですね。
1週間前と比べたら
今日の方が気温が高いのに
その変化に気づくのが
歳を重ねた人の方が得意なのと
似てるかな。
だとしたらこの先も楽しみだ。
次にどんな定番が生まれるのか
毎日の食べ物の中だけでも
あるのだから。