11月18日 職人さんの手 | あしたうさぎ の 散歩日和 ー と 衣食住、ときどき好きな事。ー

あしたうさぎ の 散歩日和 ー と 衣食住、ときどき好きな事。ー

旧タイトル
あしたうさぎの朝ごはん ー野菜ごはん、ときどき、好きなこと。ー

足りないものを補い身体を整える朝ごはん・・・の事を書いていたけど、2020年から以外の事を書く機会が増えました。写真の著作権は放棄していません。ご使用ご希望の際はご相談下さいね。

 

 

 

 

 

あの指先に挟まれた細いもの。

 

今回の展示の中で

 

一番好きかも。

 

 

 

 

 

 

それを可能にする職人さんの技術に

 

まず拍手。

 

そしてそれを「やりたい」と言った

 

あなたに拍手。

 

 

 

 

 

 

 

日曜日。

 

 

11月だから

 

もう薄手のコートを羽織る人が

 

多いのですよね。

 

 

朝ご飯をあわてて食べて

 

2人で家を出て日比谷で別れ、

 

映画館と骨董市にそれぞれ向かいました。

 

 

 

 

 

骨董市のある

 

有楽町の国際フォーラム(の中庭)は

 

冬は風が吹き抜けて

 

日陰などはとても寒いのだけど

 

私はあの日

 

上着がわりに羽織った薄いワンピースで

 

まだ平気。

 

 

 

この頃まで

 

気温自体も高めの11月でしたけど

 

少しの寒さも感じないくらいに

 

本当に人が増えたのも理由と思います。

 

 

 

それぞれの時間を終えて昼に再会。

 

 

ご飯をしっかり食べても

 

まだ少し時間があるので

 

まずはこの日が最終日のこちらへ。

 

 

 

 

 

” 匠の森 ” POLA MUSEUM ANNEX 

 

 

 

 

このチラシを構成する

 

おおよそモノクロで荒れた画の写真たち。

 

 

実際に展示された

 

日本の伝統工芸を生かした作品も

 

色は確かにモノトーンに近いのだけど

 

その柔らかな色彩とは対照的です。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも多分まだ若い方々。

 

経験を積んでの究極のスムーズさに

 

達する前に一度、

 

自ら大きく荒波を立てて

 

その波に乗って船旅に出る・・・

 

 

その勇気ある姿を見る側は一度は見送る、

 

 

で、また完成度を高めて帰ってくるのを

 

待つ。

 

 

 

 

 

伝統工芸の中に見られる文様を

 

実際の作品の印象とは反対の

 

強いコントラストのあるビジュアルで

 

見せるこのチラシのデザインは

 

 

この展覧会を企画した人の側の

 

そういうような意図も

 

あるのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、ここでは

 

指物(さしもの)の作品が好きでした。

 

このチラシの写真を見た段階ではそれが

 

指物とは思わなかったけど

 

 

実際に会場に行ったら遠目でも、

 

「あ。これは指物だ。」と思いました。

 

 

 

 

 

瞬時にそう感じる

 

自分の中にある日本人のDNAに

 

まずは驚いて、

 

 

でもこれを明日、

 

真似事のレベルででも

 

自分が手を出すことが出来るか?と

 

言われると、

 

シンプルなだけにどう考えても無理なのが

 

わかる。

 

(他のものだって出来ないけど、

 

 これに関してはどうしたって無理だー。)

 

 

斜面が急すぎて登れない高い山の前に

 

立ち尽くすような感じでした。

 

 

 

 

「寸分たがわず」を感覚で実現する

 

人の力が絶対的に美しくて、

 

さらにその人が「自分で立てた波」の

 

ダイナミックな事!

 

エッジが効いていました。

 

カッコよかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして映画は14時台の回です。

 

(だんな君はこの日2本目の映画です。)

 

 

ストーリーは、静かな中でも

 

女性にとっては胸をかき乱されるような

 

部分だってもちろんあるのだけど、

 

おおむね穏やかなリラックスしたムードで

 

観て行く事のできるこの映画

 

 

 

ただ一箇所だけ、

 

それ以前のシーンや

 

それ以後のシーンと

 

全く趣のちがう映像があって

 

 

( エンドロールに理化学研究所の協力と

 

 あるのはそのシーンのことと思います。)

 

 

そこは画面がすごく明るくなるのだけど、

 

 

その瞬間に客席に人々の頭のシルエット

 

(この日は前回と違うので女性と男性の頭)

 

が並ぶのがたまらなかった。

 

 

 

 

人の頭のシルエットの事までは

 

計算に入れていないでしょうけど、

 

 

たとえばそこまで

 

物語の筋書きを追う事に

 

没入しかけた観客がいたとしても

 

あのシーンでハッとして

 

意識がクリーンになるので

 

自分の目で見て感じる事を

 

少しだけ思い出させてくれるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資生堂ギャラリー 100 周年記念展

 

「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 

 

 Shinzo Fukuhara 

 

 / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」

 

 

 

こちらも2部構成で、この日は1st でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、

 

ミュージアムはこのような空間に

 

なっていて、

 

 

それは焼き物の工房のようでいて、

 

BOOKカフェのようでもありました。

 

 

 

 

 

 

 

真ん中に初老の紳士がいて

 

おもてなしをしてくださいます。

 

 

 

 

 

 

アートを盛り立て、

 

アートに携わる人を励まし、

 

 

そして人々が集まって語り合うためには

 

カフェが要る。

 

 

(資生堂初代社長の)福原信三さんの

 

 

「こういう場所を作りたかった。」

 

という当時の気持ちを

 

今の重すぎないライトな感覚で表したら

 

こういう空間になります・・・。

 

 

そういう感じかな?

 

 

 

 

(リーフレットをまだ読んでいないので、

 

 これから本当のところを

 

 ちゃんと読まなくちゃ。

 

 

 ・・・だからこれはあくまでも

 

      私が想像する事です。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、

 

冒頭の写真はこの日最後に行った

 

 

「眠らない手」

 

エルメスのアーティスト・レジデンシー展

 

 

のものです。

 

 

 

 

今回は複数のアーチストがいるために

 

2期構成で(前期にも行ってきました。

 

すでにこの日は後期の展示に

 

入っているのだけど

 

 

このリーフレットの表紙にもなっていて

 

前期に展示のあった金属の職人さんとの

 

共同制作のものが

 

シンプルで本能に沿うように感じて、

 

(そして「職人さんの手ありき」で)

 

 

後期の今はもう見られないのだけど

 

(プリミティブなモノにことさら惹かれる)

 

私はやっぱりこれが一番好きだなあ、と

 

あらためて思いました。

 

 

 

でもこれも

 

この形でここに存在しうるためには

 

多くの後ろ盾がね・・・・!

 

 

(すごいことだなあ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職人の手を借りて、

 

アーチストの純粋な

 

「・・・してみたい。」が形になった。

 

 

またはずっと昔から

 

パトロンと言われる

 

経済的な部分だけではなく様々な

 

方法でアーティストの後ろ盾となる人が

 

いた。

 

 

 

 

 

 

お互いに影響を与えながらも

 

完全に溶け合うのとは違うのならば、

 

アーティストだけではなくて、

 

それを支える側だって「作り手」として

 

「素敵!」と

 

拍手をおくりたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はたぶん、究極では

 

一個(の人)の中で

 

完成する物(モノ)が好きです。

 

 

でも、本当に研ぎ澄まされた

 

二個があるならば、

 

 

 

 

そう。

 

「作り手」が2人いて、

 

両方に拍手できるこういう形も

 

人と人の社会の中で

 

実現されて守られていくためには

 

現実的だし、

 

 

何よりも小さな範囲に留まっていた価値が

 

思いがけない広がりを見せる可能性も

 

あって

 

いいなあと思います。