磯野真穂著
ちくまプリマー新書
最近、Twitterでこんな画像を拾いました。
どこかの雑誌のコピーなんだと思います。
これを見て、色々な意見が交わされていましたが、あなたはどう思いますか。
体重は「標準体重」「美容体重」「モデル体重」「肥満体重」に分かれています。
これは研究結果からも一番病気になりにくい体重と言われています。
対して、美容体重はBMI19、モデル体重はBMI17.5、肥満体重はBMI25とされています。
私、いま160cmなのでモデル体重だと45kg。
間違いなくブッ倒れます(笑)
これをリツイートした人たちの反応は
若い女子「自分は体重が多いから今年はせめて美容体重にするぞ!」
トレーナーや医療関係者「こんなバカみたいな表を誰が作ったんだ。美容体重なんて不健康極まりない」
と、言ったものでした。やっぱりね。
前にもブログに書いた通り
医学的根拠もあり、健康的な体重はBMI22前後とされています。
でも、若い女子とってはBMI22では見た目太いのです。
一つ覚えておいて欲しいのは、同じBMI22でも体組成によって見た目の様子はだいぶ違うという事です。
筋肉質のBMI22はかなり引き締まった身体をしていて、筋肉の少ない体脂肪率 30%程の身体ではかなりぽっちゃりとした身体つきをしています。
ですから本当は体重では見た目は決められないのですが…それは置いておいて。
で、話題になっていたのがこの本でした。
その心理的、文化的な背景について文化人類学・医療分類学の立場から研究し、述べられています。
細い方が「モテる」
細い方が「優れている」
このような考えから若い女性は無理なダイエットをし、体調が悪く、食べる楽しみを無くし、悪くすれば不妊を招いたり摂食障害になったりします。
今の若い女子の痩せは社会問題で、戦後の1947年の食糧事情がよくなかった時代よりも痩せています。
身体状況としては飢餓に近いのですが、それを疑問視する声は小さく、テレビで見るアイドルグループの女の子達はみんなガリガリ、ぽっちゃりと言われている日テレの水卜アナは実際に見たら細かったそうです(私の娘がご本人を見ました)
そんな価値観が普通とされています。
実は私も20代の頃はかなり細く、158cmで42〜45kgでした。
かなり激しく運動をしていた割に食が細い事もあって、ダイエットは一切していなかったのですが体重は増えず、慢性的な貧血、極度な低血圧、冬はめちゃくちゃ冷えて常に寒く、年に何度も風邪をひくなどあまり体調が良いとは言えませんでした。
それでも自分は太っていると思い込んでいて、もう少し細くなったらなぁなんて考えていました。
今思うと信じられない馬鹿者です!
この本を読むと、細い方が美しい、というのは作られた価値観であって、他者と自分を比較しているからなのだと分かります。
自分の内側の声に耳を澄ませば、この体重あたりだと体調も良くて精神状態も宜しい、と良くわかるものですが、それがないばかりに何事も人からの評価に振り回されて自分を失っている状態なのでしょう。
小さい頃から
「お兄ちゃんのように良い学校に入りなさい」
「友達の◯ちゃんのように良い子にしなさい」
「◯ちゃんのように綺麗な小顔になりたい」
と、常に比較し比較されて育った子は、自分の評価が常に他人軸。
自己評価が大変低く、自信を持てるのは他人に何かを「勝った」瞬間だけ。
だから、それに疲れちゃった子たちが自分の内側に目を向けるヨガに心惹かれるのもわかる気がしますね。
せめても
お母さんや恋人や、身近な人たちは、普通体型の女の子に向かって「もっと痩せたら」と言わないで欲しい。
健康でニコニコ笑っているあなたが美しい、と褒めてあげて欲しい。
出来たらたくさんの人にこの問題に向き合って欲しいと思っています。