2年に1回行われる診療報酬改定が6月に迫っています。
そしてその内容が明らかになってきました。
毎回そうですが、今回も現場としては納得いかない部分がたくさんあります。
その中で一番物議を醸し出しそうなのが「ベースアップ加算」です。
これは医療従事者の賃金の伸び率が一般社会のそれより長年低く抑えられていることに対しての策です。
簡単に言うと、医療従事者の賃金を上げた医療機関は本来の診療報酬に少し上乗せできるようになります。
でもこれっておかしいと思いませんか?
例えば、「あしだこども診療所」と「芦田チャイルドクリニック」の二つの小児科医院があったとします。
どちらも同じ規模のクリニックです。
「あしだこども診療所」は所長が渋ちんなので職員のお給料を上げることはしません。
それに対して「芦田チャイルドクリニック」はスタッフ思いの優しい院長先生なので、スタッフのお給料をアップすることにしました。
そしてこの2か所で全く同じ医療を受けたとします。
その場合渋ちんの「あしだこども診療所」での医療費と、スタッフに大盤振る舞いしている「芦田チャイルドクリニック」での医療費が違うことになります。
どうしてかと言うと、「芦田チャイルドクリニック」はベースアップ加算を算定できるからです。
子どもの場合は乳児医療が効くので窓口負担は無料もしくは定額になる場合が多く、医療費の違いを皆さんが実感することはあまりありません。
でも、繰り返しになりますが、全く同じ医療を受けているのに医療機関によってかかるお金が違うのはおかしいと思いませんか?
実は渋ちんの所長ではありますが、今年ほんの少しだけスタッフのお給料を増やしました。
でもさすがにこの「ベースアップ加算」の算定をするつもりはありません。